日本全国に3000を超えるSCが運営されている。売り上げはコロナ禍で水準が下がったとはいえ、22年で28兆円と推定される。日本ショッピングセンター協会(SC協会)はそうした日本の流通の中核を担う業界の団体だ。ディベロッパーとテナントの双方を組織、賛助会員を加えて892社(23年8月1日時点)が加盟しており、今年50周年を迎えた。研究会から立ち上がっただけに、人材育成は変わらず、変わらないテーマとなっている。
71年に18社で研究会
SC協会が発足したのは50年前の73年。正会員70社(ディベロッパーで現1種会員)、準会員138社(テナントで現2種会員)と賛助会員46社を集めて設立総会を開いたが、母体となったのは71年に発足した「ショッピングセンター研究会」だ。
69年に日本で初めてとされる本格的なSC「玉川高島屋SC」が開業、以降、SCの開発熱が高まっていた。しかし確立されたノウハウがあったわけではなく、経営不振に陥るところがあり、テナントとのトラブルも少なくなかった。研究会はそうした課題について議論、対応策を探るもので、すでに各社から相談を受けていた玉川高島屋SCを開発・運営していた東神開発代表取締役専務の倉橋良雄、ダイエー取締役開発部長の松下孝夫、コンサルタントの奥住正道の3人の呼びかけで始まった。