24~25年秋冬に向けたニット提案は、暖冬対応や環境配慮型の商材が目立つ。このほど開かれたニット合同展の「ジャパン・ベストニット・セレクション(JBKS)2023」では、多様な意匠性とサステイナブル(持続可能な)を掛け合わせた独自性の高い物作りが注目された。
【関連記事】JBKS2023に国内ニットメーカーが集結 ストーリー、独自性のある物作り
長い着用を意識
澤田(大阪府泉大津市)は、質感やデザインなど意匠性の高い多彩なニット糸の引き合いが強い。モヘヤ30%混の軽量タム糸「リオン」は、滑らかな手触りと光沢、長い毛足が魅力だ。ファンシーヤーンのバリエーションも充実。ペーパーヤーンやネップなどを組み合わせ、凹凸、光沢などの表面効果を出す。昨今の気候変動による暖冬の影響で、市場からは和紙糸複合への反応が良い。「見た目は秋冬っぽいが、サラッとした肌触りが特徴。できるだけ長く使えるようなニット素材を提案していく」考えだ。
佐藤繊維(山形県寒河江市)は「長く着用できる、良質な天然素材による高品質な物作りに力を注ぐ」として、柔らかく発色の良いウールを提案した。北米ロッキー山脈のふもとで生育されたメリノ種「ロッキーウール」を使用した、16番手梳毛糸の生地を推す。ストレッチ素材のようなキックバックとバルキー性を兼ね備えるとともに、白度の高い素材による発色性の良さが特徴だ。秋冬のイメージが強いウール製品だが、欧州で年間を通じて販売されていることにヒントを得てインナー地も生産し、好評を得ている。
この記事は有料会員限定記事です。繊研電子版をご契約いただくと続きを読むことができます。
すべての記事が読み放題の「繊研電子版」
単体プランならご契約当月末まで無料!