欧州ブランドの26年スプリング&リゾートコレクションは、二面性の際立つスタイルが目立っている。ドレスとカジュアル、装飾とシンプル、構築的な仕立てと柔らかな布の落ち感などが、一つのルックの中に共存する。日常のワードローブをいかに新しい表情に仕立てるかがポイントになっている。
(青木規子)
「クロエ」の26年スプリングコレクションは、80年代初頭の映画や写真に見る女性像が着想源になっている。力強く華やかな女性像と、日常を生きる女性像。その双方を併せ持つイメージが形になった。派手な色とモノトーン、強さと穏やかさ、構築的な仕立てと柔らかな布の落ち感など、対極にある様々な要素が重なっている。


象徴的なのは、角ばったオーバーショルダーのPコート。パワーショルダーが醸し出す強さとともに、肩のラインを飾るタックや裾からのぞくパフスカートがクロエらしい女性らしさをプラスする。無造作なダウンヘアのアンニュイな雰囲気もコントラストになっている。