セレクトショップのイザは6月2日、東京・南青山の直営店を移転オープンした。骨董通りに開業した直営店は今年で10周年。港区都市計画による骨董通り拡張に伴って、移転が決まった。
場所は、骨董通りから一本入った南青山の中心エリア。2フロアで約290平方メートルに拡大し、広々とした売り場は白一色に染められた。
店のコンセプトは、「解体をデザインする」。新店舗で元々使われていた廃棄予定のマテリアルを、新しい店に活用している。透明のガラスブロックは大理石樹脂を塗って白い膜で覆って壁にし、手すりはハンマーでたたいて槌(つち)目加工を施した。様々な加工を組み合わせた白い空間のなかで、深緑や黒に変質させた真鍮(しんちゅう)のラックがアクセントになっている。
装飾は最低限。パリの老舗百貨店サマリテーヌの改修プロジェクトなどに参加した建築家の小野寺匠吾らによる施工チームが手掛けた。これからの商業店舗開発の在り方を改めて考え、サステイナブル(持続可能な)を重視する次世代に向けて姿勢を示したという。
商品は、既存の「ヌメロ・ヴェントゥーノ」や「パトゥ」などに加えて「コペルニ」や「ジャックムス」なども加わる予定。ハリス・リードによる「ニナ・リッチ」も揃う。2階のポップアップスペースの初回テーマは、女性の健康をデザインする「フェムテック」。月経カップやセックストイなど国内外の商品がセレクトされている。
オープニングレセプションでは、白い空間に合わせて白いドレスが並べられた。田中タキディレクターの「美しいファッションとラブをお届けします」という言葉とともに、ラバーズとプリントされたルックがエントランスに飾られた。