伊藤忠商事とメッツァ・スプリング 合弁工場を稼働

2021/03/16 06:29 更新


「クウラ」使った秋冬向け「ザ・リラクス」のオンラインショー

 伊藤忠商事は、フィンランドの森林業界大手のメッツァ・グループの針葉樹パルプメーカー、メッツァ・スプリングとの共同出資により設立した、MIデモによるセルロースファイバーのパイロットプラントを昨年12月に稼働し、同工場で生産するセルロース系リヨセル素材を「KUURA」(クウラ)として販売する。

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 3月15日には楽天ファッション・ウィーク21~22年秋冬でデザイナーブランド「ザ・リラクス」がクウラを活用したコレクションをオンラインファッションショーで披露した。伊藤忠商事は「今回の発表を皮切りに国内外に向けたプロモーションを本格化する。マーケティング要素を持ちながら市場に投入する」構えだ。

 クウラの製造特性は、メッツァ・グループの中核企業で世界最大級の針葉樹パルプメーカー、メッツァファイバーが新たな特殊溶剤を開発し、従来のビスコース法とは異なる独自の方法で環境負荷を低減している。クウラの生産工場は、メッツァファイバーのフィンランド・アネコスキ工場に併設し、パルプ製造からファイバー製造までの一貫体制で安定的に生産する。

 メッツァ・スプリングは「生産プロセスはバイオ製品ミルの非乾燥紙パルプを原料として使用している。従来のリヨセル素材よりも原料としての取れ高が多く、環境負荷も低いのが特徴」としている。現在、試験稼働を進めながら年産約350トン規模にする計画。市場のニーズなどを見た上で今後の増設を検討する。

 一方、クウラの紡績拠点は、昨年に伊藤忠商事・繊維カンパニーとクラボウ・繊維事業部の戦略的パートナーシップ契約が結ばれたことを背景にしてクラボウの安城工場で開発を進める。伊藤忠商事は「クラボウの持つ特殊紡績技術や、海外生産の際に、出資したタイ・クラボウを活用することができることが強み」としている。

 伊藤忠商事は、木材資源から糸、生地、アパレル製品までのトレーサビリティー(履歴管理)を実現し、日本及び海外グローバルブランド向け中心に環境配慮型商材の目玉としたい考え。アパレル製品を主力に将来的には不織布など資材用途にも広げる構えだ。



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