1997年8月25日は、俳人の永田耕衣が世を去った日です。1900年に今の兵庫県加古川市に生まれています。本名は永田軍二。これは母方の旧姓、永田を継いだということのようです。
1914年に県立工業高校へ進学。この頃から俳句に興味を持ちはじめたという。17年に、三菱製紙に入り、尺八を習いはじめてもいます。25年には社内の劇団に加わって舞台に立ち、戯曲も書くように。27年、俳句の同人誌『桃源』をはじめています。55年。三菱製紙を定年退職。その後、自宅を神戸に移しています。
多趣味な人でありました。ことに好きだったのがコーヒー。コーヒーに因んだ句も多く詠んでいます。「コーヒー店 永遠に在り 秋の雨」これもそのひとつでしょう。また、「きもの」の句も詠んでいます。「着物着て ゆたかに接す 冬の海」
その永田耕衣自身が愛用したのがインバネス。日本では和洋折衷のマント。きものの上から羽織るにも好都合だったからです。(服飾評論家・出石尚三)