増えるインバウンド(訪日外国人)。店頭や街中でのコミュニケーション、加えて進む企業のグローバル化には英語は欠かせないようです。
仕事上で必要に迫られて英語の学習に力を入れているという方や企業は非常に多いのではないでしょうか。「苦労して英語を体得した」というファッション業界で働く方々に、経験やノウハウを聞きました。
語学とはその国の文化を知ること
「アヤメ」デザイナー 阿賀岡恵さん
26、27歳くらいのころ、独立して自分のレッグウェアを始めたい、海外でも販売したいと考えた阿賀岡恵さん。「語学は避けて通れない」と、会社を退職後、ワーキングホリデーで1年間、英国へ。いきなり飛び込んだため、「最初の3カ月は何にも分かりませんでした」と振り返る。
現地に住むことで、言語の背景にある文化に触れることができましたが、語学力自体はさほど上がらないまま帰国。あまりの「達成感の無さ」に、ようやく本気で英語に向き合い始めました。
まずは、学生時代に勉強しなかったツケを痛感しつつ、文法をたたき直しました。中でも「英国の『グラマー・イン・ユース』テキストは、バイブルのような本です。
「have to」と「must」の使い分けなど、ニュアンスの違いも分かりやすく解説。文法は本当に大切。その国を理解することにもつながります。
会話力はまた別のステップ。大事なのは耳を鍛えることです。色々試したが、BBCとかCNNといった放送局のインターネットラジオをずーっと流すのがおすすめ。あるとき耳がスポンと抜けて聞き取れるようになりました。
あとは仕事でも恋愛でも、情熱を注ぐものが絡むと上達が早いですね。私の場合は、海外の人にも商品の良さを伝えたいとか、お金を回収したいとか。自然と単語が出てきました。始めるのが何歳であっても、あきらめなければ話せるようになるんです。
(繊研新聞 2016/11/04 日付から)