透湿防水素材を使ったタウンウェアに、吸水速乾性に優れたジャージーのきもの--。28日まで開催中のJFW‐インターナショナル・ファッション・フェアMAGIC・JAPAN(JFW‐IFF・MAGIC)では、高機能素材を使ったウェアが目立つ。背景にあるのは、健康志向の高まりや快適性を求める消費者の増加。19年からは国際大会が日本で相次ぎ開催される。スポーツ熱の高まりに先手を打つ、多彩な提案が光る。(カッコ内はブース番号)
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「デザインとともに機能性のある素材使いも今の市場は求めている。着心地の良さやウォッシャブルといった機能に優れた点も、バイイングの要素になる」。バーニーズジャパンMDデパートメント・ファッションディレクターの中箸充男さんがこう強調するように、今後はファッション性だけでなく高機能な素材使いも、売れるための重要なポイントになる。当然、素材メーカーやスポーツ・アウトドア用品メーカーとの連携も不可欠だ。
会場でもこうしたニーズを先取りするウェアが多い。「ポートヴェル」(E-707)は、東レの人工皮革「ウルトラスエード・ヌー」を使ったハイエンドなカジュアルジャケットを披露した。見た目以上に軽いのが特徴。さらに縫い代無くフラットに仕上げるTPS縫製のため、凹凸が少なく、袖通しや肌あたりが良い。

「グラスノート」(E-507)は、ファッション性を前提にアウトドア要素を取り入れた機能性ウェアを充実する。デザイナーが、著名アウトドアブランドをデザインしているバックボーンも強み。ポリエステルスリーレイヤーのフード付きベストは、高い耐水圧で透湿性も備える。裏地はメッシュで、背面には保温・保冷バッグが付く。

和装でも同様の動きが広がる。「カーキネイビー」(M-102)は、ポリエステルジャージー製のきものを出した。しわになりにくく吸水速乾性に優れ、家庭での洗濯も可能という扱いやすさが売り。夏物では吸汗速乾素材「クールマックス」製も出す。

海外ブランドもスポーツ熱の高まる日本に狙いを定め、高機能ウェアを訴求する。韓国のスポーツウェアメーカー、ユーリムグローバル(F-400)は「グリーンディ」で、多用途に使えるラッシュガードを見せた。ストレッチの利いたファブリックは撥水・吸汗性に優れ、接触冷汗機能もある。韓国ブランドらしいビビッドな色使いが印象的。

ポルトガルのメンズブランド「マリア・バイ・フィフティ」(E-006)は、親会社がテキスタイルメーカーという背景を生かし、オリジナル生地使いのストリートウェアを提案した。19年春夏物のポリエステルブルゾンは、防水性がある。

米国発の本格的なミリタリーウェアブランド「ファイブイレブン」(M-703)は、FBI(米連邦捜査局)やSWAT(特殊機動部隊)などで採用されるアパレルのディテールを生かした本格的なデザインを採用する。パーカは服の強度を増すために縫製でトリプルステッチを施す。
