イタリアのハイエンドカジュアルブランド「ハイドロゲン」の創始者、アルベルト・ブレーシ氏が新たなプロジェクトをスタートした。上質なレザーを使い、イタリアで生産するスニーカーの「マイク・ドント・ドゥ・イット」はSNSに上げた画像が話題となって本国で人気に火が付き、日本でも卸先を増やしている。23年秋冬からはブレーシ氏が自身のワードローブから着想を得たウェアの「AB」(エービー)もスタートする。
ハイドロゲンは03年にスタートし、「フィアット」「チュッパチャプス」など、誰もが知るブランドと協業した1枚5万~6万円のスウェットシャツがヒットし、00年代半ばにラグジュアリースポーツのブームを起こしたブランドの一つだ。
ブレーシ氏はコロナ禍を経て同ブランドを韓国の企業に売却し、22年からマイク・ドント・ドゥ・イットをスタートした。上質なカーフと天然リサイクルラバーソールを使い、高級ブランドも手掛けるベネチアの工場で少量生産している。
ファーストシーズンは1型だけをインスタグラム経由で直販した。1足4万円台と高額だったが、スニーカー好きなら誰もが知るブランドの人気モデルをオマージュしたデザインと品質の良さが受けて即完売。その後、代理店のバレーナ(三重県、前川恵一代表)と組み、菅原靴店、ルッチカーレなど販売力のある専門店向けを中心に日本での販売にも着手した。
23年秋冬から本格スタートするABは、大人の男性向けのワードローブを提案する。
ファーストシーズンは映画「ロッキー」で主人公が着ていたトレーニングウェアから着想したスウェットパーカ(本体5万9000円)やスウェットパンツ(4万9000円)のほか、ウェスタンシャツ(3万9000円)、チノパンツ(4万5000円)などブレーシ氏自身が長年愛好しているカジュアルアイテムを企画した。全てイタリア生産だ。
セットアップのスーツもあり、ジャケット(7万8000~8万8000円)とパンツ(4万2000円)は、水着などにも使われる伸縮性の高い素材を使い、テーラードのディテールを取り入れ、ドレススタイルを楽な着心地で楽しめる。組下にはショーツ(3万2000円)もある。
ABと並行してスタートしたスポーツラインの「ABOUT」(アバウト)もあり、テニスなどスポーツにも使えるウェアとして訴求する。