毎日の服のコーディネートも、観たいと思う映画も、日々移ろう自身の心の持ちようが大きく左右するのではないかなぁと思う。なんとなくハッピーな朝、ちょっと悩ましいブルーな夕刻…選ぶ服も映画も、きっといつものテイストとはプチ異なるような気がする。
そこで、雨の日が多い梅雨の季節が苦手(=私)な人たちにもしっくりハマる、笑いも涙もすべて込みでエネルギーチャージしてくれそうなアジアン・シネマをご一緒に!
まずはハリウッド進出も果たし、その演技力は常に進化を続ける、まさに日本を代表する女優、芦田愛菜が主演の新作「円卓 こっこ、ひと夏のイマジン」。ちょっと風変わり(?)だけど、妙に親近感を抱いてしまう(笑)小学三年生の「こっこ」をファンキー&ラブリーに好演。
オトナになってしまうと忘れてしまいがちな「?(なぜだろう)」を、東京人の私にはとてもポップに聞こえてしまう関西弁でまくしたてるヒロインと、名優揃いの家族たち、また学友たちとのキャッチポールがたまらなく愉快。
また、ついつい目が釘付けになってしまうのが、こっこのヘアアクセサリー。一瞬ギョッとするのだけれど、キャラクターが際立つスタイリングかも(笑)!
そして何といっても「円卓」の存在は、家族の温もりを演出してくれる。かくいう私も、幼少時代の週末、しばしば家族で訪れた中華料理店にも赤い円卓があった。クルクル回るその上に並べられた料理をシェアすることの楽しさは、今なお忘れられない思い出のひとコマだ❣
『円卓 こっこ、ひと夏のイマジン』6月21日より全国公開
©2014「円卓」製作委員会
続いては、個人的にも親しみ深い都市、香港へひとっ飛び!
どんな土地にも、それぞれの歴史があり、そこに暮らすさまざまな人間模様がある。1940年代末、戦後の香港からスタートする映画「浮城」は、実話に基づいたストーリー展開だからこそ、観る者に夢と希望、そして深い感動を与えてくれる。
イギリス人と香港女性のハーフとして生まれ、間なく水上生活者の夫婦に託すこととなる、華泉と名付けられた男児。どんなにつらく苦しい時でも、人との出会いがもたらす思わぬチャンスの到来、そして未来を信じ学ぶ努力を怠らない真摯な姿勢と家族への大きな愛…こうした一つ一つが、水上生活者から有名企業の重役就任という、前代未聞とも言うべき成功の扉が開かれていく。
そしてまた育ての母の懐の深さ、たくましさには女性として学ぶべき点が多々ある。難しい方言もマスターし、主役を熱演したア―ロン・クォックが実にリアル。
ココロが折れてしまいそうな時に、「諦めないで、明日はきっと晴れるから!」と肩をポンと押してくれそうな❤
『浮城』 6月21日よりシネマート六本木他全国順次公開
© 2012 Mandarin Films Limited. All Rights Reserved
ラストはサリーがよく似合う、インドが誇る美しき大女優シュリデヴィの結婚休業後15年ぶりとなる復帰作『マダム・イン・ニューヨーク』。
歌って踊って…というボリウッド作品とは異なるタッチの本作は、新人女性監督ガウリ・シンデーのデビュー作にして世界的ヒット作、かつまた「最も成功したボリウッド映画監督」のベスト5にランクインするという快挙を成し遂げた。さてその魅力の一部とは?
英語を話せないが故に家族からの何気ない言葉に傷つく良妻賢母なヒロイン。ところがある日、運命の導きからか(?)姪の結婚式準備のため、単身ニューヨークへ渡ることになる。その結果、なんと本場で英語を学ぶことに!
というわけで、女性ならみんな「ブラボ~!」という声をあげたくなるはず。そして本作により「インド映画史100年国民投票」でめでたく女優部門ベスト1をマークした、シュリデヴィにあやかりたく、ボディ&ソウルのビューティーチャージもぜひ★
『マダム・イン・ニューヨーク』 6月28日より、シネスイッチ銀座ほか全国順次公開
© Eros International Ltd.
うさみ・ひろこ 東京人。音楽、アート、ファッション好きな少女がやがてFMラジオ(J-wave等)番組制作で長年の経験を積む。同時に有名メゾンのイベント、雑誌、書籍、キャセイパシフィック航空web「香港スタイル」での連載等を経て、「Tokyo Perspective」(英中語)他でライフスタイル系編集執筆を中心に活動中