今年1月、当コラムでも少しばかり紹介しましたが、このところROMAを訪れる機会が重なり、次第に街への親近感もアップ!
するとなんと偶然にも、スクリーン上でもROMAの街が舞台に!!
そこで今回の「CINEMATIC JOURNEY」は「気になるROMAをシネマでも!」をテーマに、現在公開中の『エマの瞳』から開幕♪
簡潔に表現するなら、ROMAが舞台の男女のラブストーリー。なのだが、それぞれのキャラクターに潜む背景に特徴がある。
まずヒロインのエマは盲目の女性だが、明るく、仕事を持ち、自立している。
一方、彼女に心を奪われる男性テオは、恋に生きるプレイボーイという見方もあるが、どちらかと言えば仕事人間ではないかな(?)と。
「ダイアログ・イン・ザ・ダーク」という、暗闇の空間で視覚以外の感覚を駆使し、日常生活を体験するワークショップに参加したテオが、そのアテンドスタッフを務めていたエマに恋をし、関係を深めていく。という流れではあるが…
思えばひと頃、ここ日本でも「暗闇レストラン」ブームが訪れた。
チャレンジャーな私の体験上、暗闇での食事は個人的には「やや難しいかな?」と悟ったものの、目から伝わる情報とは異なる、リアルな感性磨きには最適ではないかと記憶している。
さて、毎度恒例のエンドロールチェックだが、本作では「Levi's」や「sisley PARIS」、「dyson」といったインターナショナルブランドが目を引いた。
またヒロイン役のヴァレリア・ゴリノはイタリアを代表する女優の一人でもあるが、その昔『レインマン』でトム・クルーズの恋人役を務めるなど、国際的に活躍する女優であり、かつまた映画監督としての顔も持つ、まさにマルチな才能の持ち主だということを学んだ。
今回の役作りへの取り組み(=役柄にのめりこみ、別人のようになれる)のも、彼女だからこそ成し得たものだと語る監督に賛同する私であった。
ぜひスクリーンでお確かめあれ!
2019年3月23日(土)より新宿武蔵野館、横浜ジャック&ベティほか全国公開中
©Photo by Rocco Soldini
エマのように、瞳ではなく心の目で見つめるのも楽しいROMA。時には誰かに悩みを打ち明けたくなる時もあるはず。
というわけで次に訪れるのはROMAのカフェが舞台の『ザ・プレイス 運命の交差点』。
“最適な場所を見つけるためにROMA中を探し回った”
と語るジェノヴェーゼ監督のコメントが印象的な本作。
物語は店の片隅に1日中、ただひたすら座る男がいる。彼のもとを次々と訪れるのは、無理難題を抱えた相談者たち。
やがてそのアドバイスが不思議と絡み合い、相談者等の運命に変化が…
ちなみに前述のカフェは、現在はなんと映画と同名の「The Place」に改名!
ところでおそらくや、日本でのイタリア映画の公開率が決して高くはないため、なかなかイタリアの俳優名を記憶するのが難しいように思われる。
ただし本作に限って言うのなら、見覚えのある顔ぶれが多々登場されている。即ち、イタリア映画界をリードする役者ぞろいというわけだ。
そして彼らの多くがROMA生まれというのも偶然か?または必然か?
なお参考までに、主演の男を演じるヴァレリオ・マスタンドレアの衣装は、エンポリオ・アルマーニなのだそう。
4月5日(金)よりヒューマントラストシネマ有楽町、新宿武蔵野館ほか全国順次ロードショー!
©2017 Medusa Film SpA .
締めくくりにもう一つ。
これまた偶然にも目に留まった、間もなく東京・表参道で開催のROMAが香るイベントの話題!
“ROMAを代表するラグジュアリーブランド「フェンディ」が昨年10月、本社のある「イタリア文明宮」で開催した、全く新しいスタイルのエキシビション
「フェンディ クラフ(#FendiCraFF)」が4月4日(木)から17日(水)まで、バツアートギャラリーに国外初上陸!
ROMAにある自社ファー工房から職人が来日し、廃棄された材料を利用して、ミレニアル世代を代表する日本人ストリートアーティストの作品からインスピレーションを得、ファータブレットをライブで制作…”
というわけで、もしかすると時代は今「気になるROMA」なのかもしれない!?
うさみ・ひろこ 東京人。音楽、アート、ファッション好きな少女がやがてFMラジオ(J-wave等)番組制作で長年の経験を積む。同時に有名メゾンのイベント、雑誌、書籍、キャセイパシフィック航空web「香港スタイル」での連載等を経て、「Tokyo Perspective」(英中語)他でライフスタイル系編集執筆を中心に活動中