ファミリーorパートナー<その1>(宇佐美浩子)

2021/06/14 06:00 更新


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6月の数ある行事の中でも10日の「時の記念日」、第3日曜日の「父の日」、そして王道は「ジューンブライド」ではないかなぁと思う。

そんなエスプリが香る新作シネマをスクリーンでシェアしてみたく、6月の「CINEMATIC JOURNEY」は「ファミリーorパートナー」をテーマに、つかの間の旅気分をご一緒に!

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ということで、最初に向かう先はフランス!

それも「時の旅人社」という、まさにドンピシャなネーミングの会社が登場する『ベル・エポックでもう一度』からスタート。

時の経過を共に重ねていくことは、とても幸せなこと。と同時に、想定外の結末へと向かうこともある。そんな一例をスクリーンから学び、そして自問自答のチャンスを与えてくれるのが本作ではないかと思う。

ダニエル・オートゥイユ演じる主人公ヴィクトルは、デジタル化された社会に背を向ける、売れっ子イラストレーターの過去を持つ男。

そんな夫とは異なり、新しい時代の波に敏感な精神分析医の妻、マリアンヌ役をファニー・アルダンが辛口気味な好演で、セザール賞助演女優賞に輝いた。

物語の要となる、息子が父にプレゼントした、戻りたい過去へと疑似体験できる「タイムトラベルサービス」。それは映画製作技術の応用により可能となる、ユニークな体験型エンターテインメントサービスだ。

さて父が戻りたかった過去とは?

1974年5月16日のリヨンのカフェ。そこには、運命の女生との出会いの思い出が…

最近のグッチのコレクションを思わせる、70年代のノスタルジックな香りのファッションが、当時の音楽やカルチャーと共鳴し、観客もまた没入型サービスに参加した気分を味わえるのでは?

ベル・エポックでもう一度

6月12日(土)、シネスイッチ銀座ほか公開

配給・宣伝:キノフィルムズ

©2019 - LES FILMS DU KIOSQUE - PATHÉ FILMS - ORANGE STUDIO - FRANCE 2 CINÉMA - HUGAR PROD – FILS – UMEDIA

「ファミリー or パートナー」をテーマに巡る今月の「CINEMATIC JOURNEY」。続いて向かう先はアメリカorイギリス?

ブラックバード 家族が家族であるうちに』というタイトルからして、どことなく想像がつくかと思うのですが…医師の父とALS(筋萎縮性側索硬化症)と闘う母が暮らす海辺の家に、家族が集う最後の週末を描いた本作。

時間の経過と共に浮き上がる想定外の事実など、ドラマチックな展開に登場人物と共に、思いを共有しそう。

自身の生命の決断を下す母親役のスーザン・サランドンと、「母の決意を受け止めつつも…」な長女役のケイト・ウィンスレット。初共演の2大女優が奏でる熱量にも注目したい。

本作には前述の尊厳死同様、幾重にも時代と共に注目すべきワードがちりばめられている。その一つがクリス役で登場するベックス・テイラー=クラウスの自称「ジェンダー・ノンバイナリー」。つまり「男女二元論にとらわれない」という生き方だそう。

また資料に明記されていた撮影時間に関する記述「自然光だけを用いての撮影」も加えたい。

このレアなスタイルを導入することによって、「美しい日の出で始まり、日没で終了」という、健康的かつ新しい撮影様式が出演者たちにももたらされたとか⁉

本作に流れるクリーンな空気感をご体感のほど!

ブラックバード 家族が家族であるうちに』 

6月11日よりTOHO シネマズシャンテほか全国公開

© 2019 BLACK BIRD PRODUCTIONS, INC ALL RIGHTS RESERVED

「ファミリーorパートナー」をテーマに巡る今月の「CINEMATIC JOURNEY」。

ゴールに選んだのは前作品の撮影地同様、イギリス。

名優アネット・ベニングとビル・ナイが演じる夫婦に、新鋭ジョシュ・オコナーが息子役で登場する、現在公開中の『幸せの答え合わせ』。

結婚29年の夫婦に訪れた、夫からの突然の「出ていく」宣言。「幸せな家族であるはずが…」と、母も子も思っていたに違いないはず。と同時に、家族であることと、良きパートナーであることの違いのような何かを、見る者たちが痛感する瞬間ではないだろうか?

そんな当事者の計り知れない心情は、衣装やヘアメイクなどにも表現され、カラフルで模様がいっぱいな衣装から、「色」が吸い取られ、孤独感が表出していく様を演出しているそう。そして、新たな希望の光がともされていく気配が…

幸せの答え合わせ

キノシネマほか全国順次公開中

©Immersiverse Limited 2018

提供:木下グループ

配給:キノシネマ

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うさみ・ひろこ 東京人。音楽、アート、ファッション好きな少女がやがてFMラジオ(J-wave等)番組制作で長年の経験を積む。同時に有名メゾンのイベント、雑誌、書籍、キャセイパシフィック航空web「香港スタイル」での連載等を経て、「Tokyo Perspective」(英中語)他でライフスタイル系編集執筆を中心に活動中

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