90年代後半から00年代にかけて、本紙にストリートスナップの記事をたびたび掲載していました。30年近く前の、都会の一瞬を切り取っただけの記事ではありますが、その背景を店や企業に取材し、ときには売り上げなどの数字も入れていて、当時の商売の動きも少しわかります。“平成リバイバル”など様々なレトロが注目を集めている昨今、改めて読み返すことで、ビジネスに通じるヒントが見えてくるかもしれません。ベテラン記者が振り返ります。
※本文は読みやすく直しています。社名やブランド名などは原文のまま掲載します。
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「ロンジョン」Tシャツ大ヒット 火付け役はギャル男くん
2000年6月5日付

「ロンジョン」のTシャツが大旋風を巻き起こしている。米国フロリダの有力サーフショップ、ロン・ジョン・サーフショップのオリジナルTシャツで、絵画のような多色プリントが特徴。ウミガメが泳ぐ海中風景など10種類の図柄がある。これが若い男性たちに大受け。ガングロのギャル男くんたちを中心にあっと言う間に広がった。
「すでに4万着売れた。今夏10万着を見込んでいる」と言うのは販売代理店のトレードウインド。「サザンオールスターズ」の桑田佳祐がライブビデオで着ていたことや、木村拓哉がプライベートで着ているというウワサで4月に爆発的に売れ出し、5月10日発売の雑誌『ボーイズラッシュ』に大々的に掲載されたことがダメ押しになった。「通常、雑誌掲載から1週間で収まるといわれる問い合わせがいまだに続いている」。
価格は3900円。特に人気を集めているのは復刻版の柄=写真。秋口には長袖Tシャツ5万着を売り出す。
《記者メモ》
ロンジョンというブランドを知らず、慌てたことを覚えています。サーフ系は多様なジャンルの一つとして定着していますが、このころは、はやりものだったのか。「陸(おか)サーファー」という言葉もありました。
(赤間りか)
