阪急うめだ本店4階のシューズギャラリー(婦人靴)は今春、大人の女性に向けたエレガンスシューズの販売が軌道に乗ってきた。コロナ禍で2年近く、TPOを意識した品揃えを構築しにくい状況にあったが、取引先の協力を得て、店頭できれいめの靴を履きたくなるシーンを明確に出し、ハイヒールの消費にも結びつけている。
【関連記事】阪急うめだ本店がウール、カシミヤ衣料品のアップサイクルを開始
リアル店の意地
百貨店の婦人靴売り場は、外出自粛の影響によって、ハレの日に履くパンプスが極端に売れなくなった。同売り場でも「働くための需要はあっても、遊びに行くためにヒールのきれいな靴を買う意識が無くなった」。売り場の主軸だった国内ブランドはまだ回復しきれない。一方、「シャネル」「セルジオ・ロッシ」などラグジュアリーブランドは好調に推移、コロナ禍前の水準まで売り上げが戻ったブランドもある。そうした中で「海外の高級ブランドから国内ブランドまで、フルグレードでエレガントな靴を買う楽しさを提案したい。それがリアル店の役割」(吉田和弘婦人服飾品営業統括部長)として、徐々にその環境を整えてきた。軸となるのは、来店客に伝わる「テーマ型と仕掛け型」の売り場作りだ。