UA、大人客に響くセレクト新店

2016/05/20 07:59 更新


 ユナイテッドアローズの「H(エイチ)ビューティ&ユース」は、「何を着るかより、誰が着るか」をテーマに作った店だ。南青山の閑静な路面立地の大型旗艦店で品揃えも見せ方も売り方も既存の業態とは変えている。セレクト離れした大人客の気持ちをもう一度捉えようとしている。(柏木均之)

 松崎善則BY本部長はHビューティ&ユースの狙いを「『もうセレクトじゃないよね』と感じている世代に響く店をもう一度作ること」と話す。90~00年代にセレクトショップに足しげく通った大人客がいまや「セレクト離れ」してしまった理由の一つは、年齢を重ね、客のライフステージが変化したこと。

 もう一つは、セレクトショップ自体の店数が増え、オリジナル比率が高くなり、仕入れブランドも競合他店と似通ったものになってしまったことだ。客の変化はともかく、店側の事情で足が遠のいたのなら、「大人がファッションを買うために通う店」を再定義し、それを具体化しようと考えた。

 「昔のセレクトは良かった」と言う人が、いま、ハイブランドの靴やバッグを買ったとき、合わせる服はどこで買うのか。伊勢丹でもユニクロでもない、別の選択肢として成立する店の条件を社内で議論し、トレンドを前面には出さず、着る人のパーソナリティーを補完する服を売る店を作ることにした。

 店内に並ぶ商品は、仕入れでは「リーバイス」「ヘインズ」「セントジェームス」など性別を問わず、デイリーに使える定番が揃う。デザイナーブランドは、インポート、ドメスティックともにパターンに特徴があるものより、ベーシックにひとひねり加えたものを選んだ。ブランド以外に古着を集積した売り場も作った。

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