11月30日~12月12日の13日間、アラブ首長国連邦(UAE)のドバイで第28回国連気候変動枠組み条約締約国会議(COP28)が行われた。会期中に環境NGO(非政府組織)の国際ネットワーク「CANインターナショナル」は、気候変動対策に後ろ向きの国であるとして、日本を「化石賞」に選んだ。首脳会議で岸田文雄首相が、「世界の脱炭素に貢献する」とアピールしながらも、国連などが求める稼働中の石炭火力発電所の廃止時期に言及せず、脱炭素に逆行すると批判。石炭火力発電所でアンモニアを混焼する技術などをアジア諸国に展開するとした姿勢も「グリーンウォッシュ(見せかけの環境対応)だ」と厳しく非難した。
(特別編集委員・藤浦修一)
【関連記事】《重要性高まるファッションロー⑧》「グリーンウォッシュ」に注意
地球温暖化の危機が叫ばれながらも温暖化ガスの排出量は増え続けている。ファッション産業は、大量生産・大量消費、大量廃棄により、製造にかかる資源やエネルギー使用の増加、ライフサイクルの短命化などから環境負荷が非常に大きい産業と指摘される。それだけに、業界・企業の環境への向き合い方、「本気度」が問われる。グリーンウォッシュと批判を受けないための対策も必要だ。