《レトロ商店街新時代 豪徳寺市場100年目の挑戦㊤》若手店主のリブランディングが軌道に

2023/11/15 13:00 更新


約100年の歴史がある豪徳寺市場

 東京都世田谷区の豪徳寺駅すぐ近く、店舗が数件ほどの小さなアーケード街の豪徳寺市場は、約100年の歴史を持ち地元では知られた場所だ。近隣に学校も多く住宅街として発展してきた同地で、かつては地域の日常の買い物を支えてきた。時代の流れで規模こそ縮小したものの、若手店主による個性的なファッションやライフスタイル専門店を引き入れて〝市場のリブランディング〟が軌道に乗り始めている。

(高塩夏彦)

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個性的な店を集め

 豪徳寺市場の原点は、同市場2代目の松原恵美子さんの先代が始めた魚屋で、正確な時期は不明だが100年ほど前から同地に存在しているという。恵美子さんは「昔はもっと大きな市場で、日用品は何でも買えた。50年以上前は特売日となれば満員電車のようなにぎわい。街の生活の中心だった」と振り返る。

 時代の変化と共に規模は縮小。買い物の中心はスーパーなどに移ったが、数年前から3代目の松原成幸さんが市場のリブランディングを開始した。

同市場2代目の松原恵美子さん(右)と3代目の成幸さん

 「若い店主を応援する方向にかじを切った。広いテナントを3区画に分け、家賃も相場よりかなり下げた」と成幸さん。しかし、やみくもな場所貸しはせず、個性があり、市場の魅力を高めてくれる店を優先して選んでいるという。

挑戦の場にも

 狙い通り、しばらくすると若い店主による独自性のある店が増え、市場が若返った。22年10月には紺ブレに合わせる服をテーマにしたコンセプチュアルな古着屋「ネイビーブレザー」が開店。ボディーを置くスペースもない小さな店だが、雑誌やSNSで話題になり、若者の客が順調に増えている。

古着屋「ネイビーブレザー」など新興個店が盛り上げている

 国内外の作家、窯元から集めた器や花器のセレクトショップ「マヌーク」は、高感度層に受けている。17年に開店したおしゃれなスムージー店「ホリック・カラードリンクス」もオリジナルのプリンなどが幅広い年代に好評だ。

 「入居者がここから羽ばたき、別の場所で事業を拡大するのも歓迎だ。挑戦の場を提供しつつ、市場を盛り上げていきたい」(成幸さん)。求めているのは「物作りやアートにこだわりのある、クリエイティブな店」だという。

 店との交流も大事にしている。成幸さんは「店主とはよく意見交換をするし、飲みに行くことも。そんな仲良しの大家がいてもいいでしょ」と笑顔を浮かべた。

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