「ゴルフ用ブラジャー」開発秘話 スポーツ×下着で化学反応を起こす

2024/01/05 15:00 更新有料会員限定


協業品の開発を主導したTSIの村上さん(左)とワコールの犬塚さん

 ゴルフブランド「パーリーゲイツ」(TSI)と機能性コンディショニングウェアブランド「CW-X」(ワコール)が協業し、ゴルフシーンに適したブラジャー(ゴルフ用ブラ)を開発した。ゴルフアパレルと下着。それぞれに専門性を持つ、異なるジャンルを手掛けるメーカー同士が組むことでどんな化学反応が起きたのか。「ファッションと機能の両立」を巡る舞台裏を、開発に関わった村上葉月さん(TSIウェルネス&ライフスタイルディビジョン第一事業部パーリーゲイツセクションデザイナー)と、犬塚明日美さん(ワコール商品本部第4ブランドグループウエルネス営業部商品企画課)に聞いた。

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「ブラジャーの顔」を持つ

 ――開発にあたり念頭に置いたことは。

 村上 スポーツブラについて女性ゴルファーから話を聞くと、「一日中着けているには締め付けが強過ぎる」と言われたことがあります。だからパーリーゲイツとしてゴルフ向けのブラを出すなら、「スイング時にずれず、しゃがんだ時にも気にならない」といった機能を備えつつ、おしゃれで可愛らしく、ゴルフのマナーを守ることができる品のあるデザインが良いと思っていました。

 犬塚 求められたのは、ゴルフに特化した機能がありながら、見た目はブラジャーの華奢(きゃしゃ)さや繊細さを残すことです。ワコールではこれまで、揺れの軽減やズレにくさに重きを置いたスポーツブラは作り続けてきましたが、「普通のブラジャーのように優しい雰囲気で、かつゴルフに必要な機能を備える」というのはまったく新しいコンセプトで、正直戸惑いました。「機能性を残しつつ、優しく見える素材って何だろう?」と。ただ同僚や知り合いのゴルフ好きの女性たちから、「しっかりしたスポーツブラを一日着用して、ラウンド後にみんなで食事をしたり、買い物をしたりするのはしんどい」「着替えの時にスポブラを付けているのを見られるのは嫌」という声を聞き、「ゴルフ用ブラ」の潜在需要を自分なりに確認できたんです。そこで新しい価値を提供するためにも、パーリーゲイツとともにチャレンジしてみようと思いました。

 ――デザインのベースはどう決まったか。

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