メンズニット専業のジム(東京)は、今まで以上に天然素材を中心にトレーサビリティー(生産履歴)を追求する。安心・安全、高品質でリーズナブルな商品開発に力を入れる。看板素材にモンゴルカシミヤを位置付け、ケケン試験認証センターと組んで現地に検査機関を設置。品質基準の明確化で、透明で安定した調達網の確立を目指す。
19年秋冬物ではモンゴルカシミヤを使ったニット製品の売り上げを3割に引き上げる。原料ベースで8トン超を仕込んだ。編み立ては全て日本で、100%、ブレンド、無染色の3シリーズで構成する。
新たにラグジュアリーなルームウェアを企画。モンゴルカシミヤ混のスウェットの上下(各3万3000円)やTシャツ(1万8000円)、ニットの羽織りなどを揃える。自宅でくつろぐだけでなく、ファーストクラスの機内や出張先のホテルの部屋などで上質なリラックススタイルを提供する。主力のセーターでは100%の無地で3万円台、ブレンドの無地で2万円前後。
モンゴルカシミヤ製品は、継続出展しているフィレンツェのメンズ総合展示会、ピッティ・イマージネ・ウオモでも欧米のバイヤーから好評だったという。
これまで販路やテイスト別に多数のブランドを使い分けてきたが、19年秋冬物からブランドを「ジム」に一本化する。社名と同じブランド名に統一した背景には、65年の創業からニット一筋の物作りへのこだわりと、約30年前に業界に先駆けて環境配慮型ブランドを開発するなどのサステイナブル(持続可能)な企業理念が大きな武器になるとの判断がある。
今後、ブランド内のシリーズはタグやラベルを色分けして用途別に提案する。百貨店のシャツ・ネクタイ売り場で販売していたニットジレは「ビジネス」、ジーンズ専門店向けのセーターなどは「カジュアル」、セレクトショップやデザイナーブランドとのダブルネームで実績がある英国羊毛使いのフェアアイルセーターなどは「ブリティッシュスタイル」に一新する。
