在庫分析システム「フルカイテン」を販売するフルカイテンの業績が大きく伸長している。サプライチェーン全体の販売・生産・在庫に関するデータを集約する「スーパーサプライチェーン構想」の具体化も着々と進展。フルカイテンを利用するアパレル及び生活雑貨など全ブランドの年間累計流通総額は、今年12月に1兆円を超える見通しだ。コロナ禍を通じて、多くの企業が在庫要因による業績への影響を痛感し、在庫分析の重要性が認識されるなかにあって、フルカイテンの存在感が増している。
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GMROI向上の過渡期
――今の経営環境をどう見るか。
市場に対するコロナ禍の功罪を見なければなりません。良かった面を挙げるならば、在庫の抱え過ぎは業績に大きな影響を与えることを業界各社が経験したことです。各社とも21~22年にかけては在庫を少なくするために仕入れを抑制したことで営業利益が急回復しています。
23年は、コロナ禍前の19年比較でも多くの企業が増収増益を達成しながら、在庫がほとんど増えていない状況です。業界全体に「在庫は少ない方が良い」というコンセンサスは維持できていると私は見ています。
一方で、GMROI(商品投下資本粗利益率)の水準は十分ではなく、過渡期であると言えます。GMROIとは、限られた在庫をいかに効率良く利益に変えることができたかを示す指標。これについては業界全体として、まだまだ回復途上であり、コロナ前水準に回復できた企業は少ないです。
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