福岡三越に空港型免税店

2015/06/05 07:01 更新


 福岡空港ビルディングと西日本鉄道、岩田屋三越は3日、福岡市内で共同会見し、16年4月1日に福岡三越9階に売り場面積約1300平方㍍の空港型免税店を出店すると発表した。消費税のほか関税や酒税、たばこ税も免除となる空港型免税店は現在、沖縄を除いて空港や海港にしかない。福岡都心に大型店を開設することで利便性を高め、福岡でも急増している訪日外国人需要の更なる取り込みを狙う。初年度売上高は30億円、2年度目から黒字化を目指す。

 近く福岡空港ビルディング60%、西鉄30%、三越伊勢丹ホールディングス10%の出資比率で運営会社を設立する。空港型免税店の運営ノウハウを持つ福岡空港ビルディングが主に運営を担うほか、商品構成については特選ブランドのファッションや時計・宝飾、化粧品など従来の免税店の品揃えが基本となるが、「今秋に空港型免税店を導入する三越銀座店との情報共有により最適化を進める」(中込俊彦岩田屋三越社長)考え。

 岩田屋三越の14年度免税売上高は前年度比2・3倍と伸びたが、総売り上げの2%程度。免税店ができれば「店内競合で化粧品売り上げは確実に落ちる」(同)としながらも、免税店来店客の1割程度はほかのフロアへの買い回りが期待できるとみる。

 対象顧客は空港利用の外国人のほか、博多港入港のクルーズ船客にも対応、出国予定のある日本人も利用できる。14年の福岡の訪日外国人の購買額は、推計で前年比51%増の471億円。14年の福岡空港外国人出国者数は89万人、博多港は同16万5000人で増加傾向が続いている。特に15年は博多港に寄港するクルーズ船が前年に比べ倍増の200隻超となる見込み。



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