デイトナ・インターナショナルの「フリークスストア」は5月下旬から、パスタソース「焼津カツオのペペロンチーノ」を静岡県内の店舗で販売している。地方自治体や企業との協業で企画する、地域課題解決に対する取り組みの一環だ。顧客の若い世代にはサステイナビリティー(持続可能性)への関心が高い人が増えているという点にも着目し、始めたもの。実店舗やSNSの発信力も生かし、各地域の魅力を伝えていく。
今回は静岡県水産・海洋技術研究所と組んだ。日本の水産業は漁獲量が減少している一方、年間約100トンの魚や魚の部位が廃棄されているという問題を抱えている。水産業のフードロス問題の認知拡大と消費促進を目的とし、静岡県が漁獲量1位のカツオの本来なら廃棄される内臓部分を使用したパスタソースを企画した。フリークスストア静岡店、ららぽーと沼津店、御殿場プレミアムアウトレット店で販売している。
パスタソースを販売する店舗とECではカツオがモチーフの限定グッズも販売することにした。メッシュキャップ、Tシャツ、パスタプレート、湯のみを企画した。フリーペーパーやユーチューブなどの発信で、物作りの背景や静岡県の魅力も伝える。
水産業に焦点を当てた「オサカナフリークス」の取り組みは第2弾も検討している。「フードロスやSDGs(持続可能な開発目標)に関する問題を難しく考えるのではなく、フリークスストアらしいワクワクや楽しさでお客様に届けたい」(清宮雄樹執行役員兼ブランディング本部部長兼PR・マーケティングディレクター)という。
同社は21年から「地域課題を魅力へ」をテーマに掲げ、商品プロデュースやイベント開催などを行ってきた。最近では3月、長野県の耕作放棄地を開墾した畑で作られたトウモロコシを使ったビールを企画・販売した実績もある。