認定NPO法人(特定非営利活動法人)のフェアトレード・ラベル・ジャパン(FLJ)は、フェアトレード認証製品の国内市場規模(推計)が22年に196億円(前年比24%増)だったと発表した。「推計史上、最大の伸び幅を記録した」(FLJ)という。
コーヒーや綿製品増える
フェアトレード認証製品別に見ると、主要産品のコーヒーが前年比22%増。カフェなど飲食店での業務用と小売り用のいずれも売り上げが拡大した。綿製品は99%増。企業のノベルティー用途などの活用が増えた。紅茶やバナナ、チョコレートもそれぞれ販売店舗数の増加や商品バリエーションが増えて好調だった。
この結果についてFLJは、「日本でSDGs(持続可能な開発目標)の認知が広がり、消費者にとって日常生活で社会貢献をすることは身近になった」と指摘。それによって「消費者のフェアトレード商品に対するニーズが拡大している」とコメントした。
依然大きい欧米との差
一方で、欧米諸国と比べると日本の市場規模との差は依然として大きいようだ。フェアトレード・インターナショナルの本拠地があるドイツは、21年の推計市場規模が2727億円で、日本の約17倍。フェアトレード認証製品の一人当たりの年間購入額が最も多いスイスは、21年が1万2765円。これは日本の約101倍だった。
FLJは日本でフェアトレード商品の購入を促す一環で、5月のフェアトレード月間に「ミリオンアクションキャンペーン」を実施する。同イベントはフェアトレード商品の購入やSNSへの投稿など一人ひとりの「1アクション=1円」の寄付になる取り組み。キャンペーンを通じて「日常的にフェアトレードが選択される世界の実現を目指す」という。