伊藤忠商事の「フィラ」事業、アパレル販売が好調 ダンスカルチャーを普及しブランド価値向上へ

2022/03/25 06:25 更新


ブレイクダンサーを組織して全国でプロモーションする「フィラ・ダンス・クルー」を立ち上げた

 伊藤忠商事の21年(1~12月)の「フィラ」事業は、カジュアルウェアやフィットネスウェア、ルームウェアなどアパレルを中心にソックス、水着などの販売が好調で、事業全体として前年の売上高を上回った。フィラはブレイクダンサーを組織して全国でプロモーションする「フィラ・ダンス・クルー」を22年に本格的に立ち上げ、ダンスカルチャーを広げることでフィラのブランド価値を向上する。フィラ初のコンセプトストアを3月4日にサンエー浦添西海岸パルコシティに期間限定でオープンした。

 フィラ事業全体の昨年度の販売実績は、主力のカジュアルウェアが10%増、フィットネスウェアが17%増とアパレル関連が好調だった。ブランド全体のグローバルアンバサダーである韓国ポップグループ、BTSとの協業商品企画を打ち出すことで大手カジュアルショップやGMS(総合小売業)での販売を順調に伸ばした。フィットネスウェアはコロナ下でも需要が広がりGMSやスポーツ専門店で売り上げを伸ばした。ルームウェアの販売は13%増、ソックスも23%増と伸長した。EC販売は同社繊維デジタル戦略室との連携やEC専任の人員体制をとるとともに、EC限定商品を打ち出すなどして好調に推移し、2.3倍を売り上げた。

 22年度はブランドの付加価値向上に向けた新たな施策を打ち出す。フィラ・ダンス・クルーでは、ダンスレッスンを行うダンサーやインフルエンサーなどブレイクダンサー約100人を組織して全国各地でイベントを開催する予定。ダンサーらの動画配信も行うなどして、10~30代の消費者層の拡大を狙う。「24年パリ五輪でブレイキン(ブレイクダンス)が正式種目になる。日本国内のダンス人口は現在600万人と言われており、更なる人気拡大で1000万人に広がることが期待できる」とする。

 サンエー浦添西海岸パルコシティでは、フィラのコアカテゴリーであるテニス、ゴルフ、バスケットボールの各領域でのブランドイメージを表現したコンセプトストアを全国に先駆けて期間限定でオープンした。店舗面積は約130平方メートルで注目店舗となっている。同社は「ここ数年はZ世代などの10代後半に向けた訴求に注力してきたが、今年度は20~30代向けを意識した施策を併せて採る」方針だ。



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