フェンディは4月20日から、ブランドのDNAにあるイタリア各地のクラフツマンシップに焦点を当てたエキシビション「ハンド・イン・ハンド~卓越した職人技への称賛」展を、東京・原宿の大型イベントスペースで開催している。5月8日まで。
世界を巡回する企画で、東京は本拠地のローマに続く2番目の開催地。アイコンバッグの「バゲット」と「ピーカブー」をキャンバスにイタリア各地の職人技を紹介し、クラフツマンシップの認知と希少な技の継承を目指す取り組みだ。
展覧会のメイン会場に、様々な装飾を施したバゲットが揃った。アクセサリーとメンズウェア部門のアーティスティックディレクターを務めるシルヴィア・フェンディが、メゾンのアイコンとしてバゲットを発表したのは97年。それ以来、様々な職人が関わってきた。
同プロジェクトでは、刺繍、かぎ針編み、タペストリー、パイルカーペット、寄木細工、モザイクタイル細工など、イタリア各地の19の工芸アトリエなどが参加して作品を作った。
それに加え今回は、日本・栃木のにしかた染織工房の4代目の西形彩さんによるつづれ織りのバゲットも展示。栃木県の伝統工芸士である両親から染織の基礎を受け継ぎ、独自の色彩表現を追求して表現する多彩な織模様は、日本的な繊細さと西洋的な明るさを併せ持つ。
会場では、作品と産地の特徴を紹介するとともに、各地の職人によるデモンストレーションも行っている。職人による緻密(ちみつ)な仕事は、時間を忘れる美しさ。それをじっくりと堪能できる。受注販売も行う。価格は100万円台から。500万円を超える作品もある。
ピーカブーの展示では、18年に発足した「アーティスト・ピーカブー・プロジェクト」を展示。今回は、アーティストの高木耕一郎による犬の刺繍のバッグ、書道家の万美による愛の文字が際立つバッグなどが展示されている。
ブックストアでは書籍とともにバゲットをキャンバスに刺繍やペイントが楽しめるDIYキットを販売する。50万円前後。