「ファンダメンタル」(津吉学)は都内で単独のショーを行った。テーマは「バタフライエフェクト」。前シーズンに20周年で初のショーを行ったことを機に、服作りの方向性を発展させた。
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前半はインディゴの様々な表情を生かしたレイヤードスタイルだ。柔らかなドビーのカーディガン風ジャケットを重ね、パネルを切り替えたフレアパンツ。着心地が良さそうで軽快さが映える。ウォッシュド加工のデニムのセットアップは、パンツのフロントにタックを重ねて重厚な印象を出した。

これまでデニムの物作りに専念してきたが、後半はミリタリーの要素を交えて多彩に見せる。デニムにカーキのトレンチコートのガンフラップと袖をドッキングしたジャケット。カバーオールにGジャンの右の身頃をレイヤード。イレギュラーでも、きちんとした物作りがベースになって品の良さがある。カットしたサークルモチーフをランダムに縫い合わせたワードローブは、ほつれた糸にハンドクラフトの繊細さが漂う。

(須田渉美)