繊研新聞の紙面から、業界で起こった出来事を振り返る「23年度ファッションニュース」の上期編です。23年4~9月に本紙に載ったニュースの見出しからファッション業界に起こった出来事を見ていきます。
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【1】小売店頭に客足戻る
3月にマスク着用が「個人の判断」となり、5月に新型コロナウイルスの感染症法上の分類が「5類」に変更されると、小売店頭に活気が戻りました。春先には新生活やオケージョン需要が久々に活性化し、その後も気温上昇と外出機会の回復に後押しされ、実店舗で服を買う客が増えました。
4月以降、インバウンド(訪日外国人)も増加し、都心の商業集積地は週末だけでなく平日も混雑するようになるなどにぎわいを取り戻しました。夏も猛暑が続いたため、夏物の売れ行きは、百貨店、専門店、SCそれぞれで伸びました。逆にコロナ下に伸びたECは実店舗の回復に伴い、伸び率が鈍化しました。
【2】持続可能性の追求さらに
サステイナビリティー(持続可能性)に向けた取り組みに力入れる企業がファッションだけでなく全産業で増えています。この結果、日本ではリサイクルポリエステル繊維の原料となる国内の回収ペットボトルが、飲料ボトル向けと取り合いになり、調達が困難になるなど、新たな問題も生じています。
一方、ラグジュアリーブランドもビジネス拡大に伴う環境への負荷軽減に乗り出しています。仏LVMHモエ・ヘネシー・ルイ・ヴィトンがグループ全体で30年までに30%の節水目標を掲げました。ケリングも温室効果ガス排出を35年までに21年比4割削減する目標を公表しました。