「なぜMD・販売・ECの連動が必要なのか」、そして「その連動によってどのような効果が生まれるのか」について、販売・MD・ECそれぞれの分野で活躍するスペシャリストが実例を交えながらざっくばらんにお話ししていきます。
≫≫Fashion Re:ducationの過去のレポートはこちらから
販売員の次のキャリアはEC担当?

この前の続きで、販売員の皆さんがEC担当を目指すときに「EC担当に向いてるとはどういうことなのか?」って考えてほしいんです。そこがハッキリと理解できていれば、販売員も店頭で何を極めればいいということがわかりやすし、頑張れると思うのですが……。
深地さん的には、EC担当はこんな視点を持っていたらいいとか、こんなタイプの人だと困るなってことはありますか?

販売経験があるのにEC側に移って上手くそのスキルを活用できなかったという話をよく耳にします。理由を聞くと、根本的なところの問題が大半。おそらく「販売現場でも積極的に業務に携わっていなかったのでは?」と思われる仕事の取り組み方に原因がある感じなんですよね。

あぁ…

年末年始の小売業はどこも繁忙期じゃないですか。イベントもたくさんあって、店頭が当たり前に忙しいのと同じで、ECの現場も忙しいんです。例えば、オンラインストアでも福袋販売をしているので、休日でも売り上げ状況を逐一チェックしているんです。EC担当だから平日だけ勤務というわけでもないんですよ。

そうなんですね!「本社の人は土日休める」っていう思い込みはあるかもしれません。本社勤務の人たちがどんな勤務形態なのかなどは、販売員は全くわからないんですよね。小売業は本社勤務でも土日に働いている方はいますよね。

そうなんですよ。世間が休んでいるときこそ、小売業は稼ぎ時なんで動かなくてはいけない。元旦からある大手アパレルのEC担当が福袋のインスタライブをしているケースも見かけました。

えぇ!そんなことをしている企業もあるんですね。

別の企業では、1月2日に初売りランキングのブログ記事を執筆して、それをメルマガ配信したりして、ECとしてやらなくてはいけないことをしているんですね。

だとすると、販売員に求められることって何でしょうか?

僕個人の考えですが、お客さま視点が欲しいんですよ。具体的に「商品説明文を書けるような人」とかではなく、お客さまのニーズや気持ちを整理して、言語化できるといいですよね。

言語化……。実はそこが苦手な販売員が多いんです。注目を集めるような仕事は好きな人は多いんですけど、そこじゃないんですね。

例えば、ショップブログを書いているブランドとかあるじゃないですか。そういう機会を活用して、積極的に言語化する訓練にしてみるのがいいんじゃないですか。それで言語化とコンテンツを更新する操作に慣れておくというのはありですね。

それは具体的でわかりやすい。店頭にいてもできそうです。主体的に投稿する癖をつける意識も必要ですし、投稿に対しての反応を見て、次はこういう内容にしようかなと考えられるようになるといいですね。

販売に限らず、日々の積み重ねが大事なんだなと、2人の話を聞いてて思いました。
◇
ということで次回も、ECが販売へ求めていることにクローズアップしていきます。
≫≫Fashion Re:ducationの過去のレポートはこちらから
■登場人物

MDコース講師:佐藤正臣
「数学は嫌いでも、算数はできるはず」でお馴染みのマサ佐藤。大手セレクトショップでMDを務め、現在はリテールMDアドバイザーとしてアパレルからライフスタイルブランド・スーパーマーケットなど、幅広い分野のマーチャンダイジング改善に従事。

販売コース講師:平山枝美
接客研修から顧客戦略の立案・推進、それに伴う接客方法・陳列・POP作成・マネジメントまで指導する販売コンサルタント。著書『売れる販売員が絶対言わない接客の言葉』は現在13刷達成!繊研plusで「間違いだらけの売場支援」を連載。

ECコース講師:深地雅也
ファッション・アパレルに特化したEC運用の支援に従事。得意とするのはGA4・BigQueryなどを活用したWEB解析の分野。年間計画立案からPL管理、CRM分析までECの販売計画に関わる領域を幅広くサポート。これまで80ブランド以上の運用に携わる。
■Fashion Re:ducation
ファッション業界の教育事業「Fashion Re:ducation」。販売・MD・ECそれぞれの分野で活躍するスペシャリストが講師を担当。キャリアアップを目指す方、異なる専門領域を学びたい方、今のやり方に迷いを感じている方に向けて、現場ですぐに活かせる実践的な技術と知識を学べる講座を提供しています。
