アパレル業界のちょっとおかしな舞台裏⑫ 販売経験がMDに活かされる理由(Fashion Re:ducation)

2026/04/21 06:00 更新NEW!


「なぜMD・販売・ECの連動が必要なのか」、そして「その連動によってどのような効果が生まれるのか」について、販売・MD・ECそれぞれの分野で活躍するスペシャリストが実例を交えながらざっくばらんにお話ししていきます。

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MDも販売員経験が活かされる理由とは……


マサさんが「販売経験がMDに活かされる」という理由も知りたいです。お客さま視点で考える重要性は店頭でもよく言われますが、具体的にMDが必要とするお客さま視点ってどんな考え方なのでしょうか?



この話はECにも連動するのですが、その一つとしてよく話しているのは「なぜ商品分類が重要なのか」っていうお話です。

例えば、お客さまが服をネット検索する場合、大体がブランド名・アイテム・カテゴリー名なんです。ブランド名+トップスと検索すると、Tシャツ、カットソー、ニット、シャツブラウスなど、ざっくりですがたくさん出てくるわけです。その中から欲しいアイテムを見つけるのは難しい。だから、さらにその中のシャツブラウスを見てみよう。となるわけです。

では、ここでおふたりに質問です。

この商品をアウターの中でも「ブルゾン」「コート」「ジャケット」どれに入れますか?




そうですね。僕なら「ジャケット」かな。もしくは「ダウンジャケット」のカテゴリーをつくるかも。



深地くんはそういうことしそうだね。平山さんは?



私なら「ブルゾン」なんですけど、働いていたブランドでは多分「コート」に入れてた気がします。



そうなりますよね。防寒という点では「コート」だし、丈が短いから「ブルゾン」でしょ、と考える人もいる。商品名に「ダウンジャケット」とついているから「ジャケット」じゃん、と考えるMDやバイヤーも解釈するわけです。

この現象はお客さまにも言えることで、どんな言葉で検索すれば探している服が表示されるかわからないんですね。そこで重要になるのが商品分類。自分たちのブランドコンセプトに沿った商品分類のルールを作ることが大切なんだよね。ルール作りにはもちろん、お客さまの購買行動を分析することも含まれる。

この商品分類のルールは、店頭はもちろん、ECにも適用していかないと、意味がなくなるからね。



なるほど!販売員は、このアイテムを何と定義してお客さまがお買い上げしているか分析して、本部に意見ができるってことですね。



そうですね。僕は倉庫業務を経験して、店頭では接客から逃げたくてバックヤード整理ばっかりしていたから(苦笑)、そういうことを考えられるようになりました。

店頭は接客がもっとも重要な仕事ではあるけれど、接客に集中しやすいようにバックヤードを整理することも大切なんですよね。さらにそれらの作業をやりやすくするのは、本部の仕事だと思っています。

ということで次回は、データ分析というと最近きになるSNS発信について考えていきます。

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■登場人物


MDコース講師:佐藤正臣

数学は嫌いでも、算数はできるはず」でお馴染みのマサ佐藤。大手セレクトショップでMDを務め、現在はリテールMDアドバイザーとしてアパレルからライフスタイルブランド・スーパーマーケットなど、幅広い分野のマーチャンダイジング改善に従事。


販売コース講師:平山枝美

接客研修から顧客戦略の立案・推進、それに伴う接客方法・陳列・POP作成・マネジメントまで指導する販売コンサルタント。著書『売れる販売員が絶対言わない接客の言葉』は現在13刷達成!繊研plusで「間違いだらけの売場支援」を連載。


ECコース講師:深地雅也

ファッション・アパレルに特化したEC運用の支援に従事。得意とするのはGA4・BigQueryなどを活用したWEB解析の分野。年間計画立案からPL管理、CRM分析までECの販売計画に関わる領域を幅広くサポート。これまで80ブランド以上の運用に携わる。

■Fashion Re:ducation

ファッション業界の教育事業「Fashion Re:ducation」。販売・MD・ECそれぞれの分野で活躍するスペシャリストが講師を担当。キャリアアップを目指す方、異なる専門領域を学びたい方、今のやり方に迷いを感じている方に向けて、現場ですぐに活かせる実践的な技術と知識を学べる講座を提供しています。



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