「なぜMD・販売・ECの連動が必要なのか」、そして「その連動によってどのような効果が生まれるのか」について、販売・MD・ECそれぞれの分野で活躍するスペシャリストが実例を交えながらざっくばらんにお話ししていきます。
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MDが考えている販売スケジュールは共有されている?

前回のウェブ広告の話につながる話題がありまして……。

え、何?

いや、そんな顔しないでくださいよ。
一般的に、MDが全体の商品構成を考えて、販売時期も決めるじゃないですか。ECも店頭もそのスケジュールに合わせて動いていくはずなのに、なぜかECの販促施策がMDと連携できていないパターンに遭遇するんです。
例えばキャンペーン中であったり、シーズンの強化品番を打ち出していたりして、それと連動して広告の内容が変わっているのであればいいと思うんです。でも、そうでもない。そのせいで、ウェブ広告が無駄に垂れ流し状態になっているんです。
店頭であれば雑誌の発売日に合わせて、店頭のディスプレーも連動させていると思うんですが……。

それね、ECも実店舗も運営している会社だとして、ECがその連動ができていないようであれば、実店舗もたぶんできていないよ。
平山先生はどう思います?

そうですね。
店舗では指示どおりのスタイリングを打ち出しはするのですが、なぜそれを強化したいのかまでわからない。なので、飾って終わりになり、数字がイマイチ、というケースはあります。

そうですよね。結局、数字が伸びないということは、MDがちゃんと指示を出していないことに原因がある。
MDは気温の変化や、大手ECモールや商業施設の販促イベントなどに合わせて、どんな商品をいくつ、いくらで展開するっていうストーリーを考えているんだから、店長やEC担当者に向けて「この時期に、この主力商品を何枚・いくらの販売目標で展開します」ということをイメージが湧くように丁寧に伝えられないといけないんだよね。
例えば、ECモールのポイント施策に合わせて春の薄手アウターを強化して、3月いっぱいまで春コートを販売していきます。ジャケットやブラウスは4月まで展開する予定です。という感じで、いつどんな商品が投入されて、いつまで売るのかをちゃんと伝える。

それがあったらサイトやウェブ広告もスケジュールを立てて作りやすそうですね。

さらに、MDは生産点数も考えているわけだから、1週間で何枚、1日だと何枚売ればいいって日割り計算して、店長に伝えることもできる。具体的な販売数目標がわかりやすいですよね。

それは助かります。具体的に「1日に1点、土日なら2点」と達成できそうな数で示してもらえると、販売員のモチベーションにもなると思います!

販売数目標の話は、ECでも同じこと。ECでも、いつまでに何枚販売することと目標を指示する。本来、MDはここまで考えて、丁寧に販売やECへ説明していくべきだと思うね。さらに、それをちゃんと繰り返して、データを積み上げていくことが重要なんです。
◇
ということで次回は、販売の現場にクローズアップしていきます。
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■登場人物

MDコース講師:佐藤正臣
「数学は嫌いでも、算数はできるはず」でお馴染みのマサ佐藤。大手セレクトショップでMDを務め、現在はリテールMDアドバイザーとしてアパレルからライフスタイルブランド・スーパーマーケットなど、幅広い分野のマーチャンダイジング改善に従事。

販売コース講師:平山枝美
接客研修から顧客戦略の立案・推進、それに伴う接客方法・陳列・POP作成・マネジメントまで指導する販売コンサルタント。著書『売れる販売員が絶対言わない接客の言葉』は現在13刷達成!繊研plusで「間違いだらけの売場支援」を連載。

ECコース講師:深地雅也
ファッション・アパレルに特化したEC運用の支援に従事。得意とするのはGA4・BigQueryなどを活用したWEB解析の分野。年間計画立案からPL管理、CRM分析までECの販売計画に関わる領域を幅広くサポート。これまで80ブランド以上の運用に携わる。
■Fashion Re:ducation
ファッション業界の教育事業「Fashion Re:ducation」。販売・MD・ECそれぞれの分野で活躍するスペシャリストが講師を担当。キャリアアップを目指す方、異なる専門領域を学びたい方、今のやり方に迷いを感じている方に向けて、現場ですぐに活かせる実践的な技術と知識を学べる講座を提供しています。
