山喜とメルボの共同出資会社 「日本の物作り支えたい」

2019/01/18 06:28 更新


 日本の物作りの未来を支えるプラットフォームを広げたい-―シャツメーカーの山喜(大阪市)と紳士服メーカーのメルボ紳士服工業(大阪市)による共同出資会社ファクトリーエクスプレスジャパン(FEJ、大阪市)は、メイド・イン・ジャパンのメンズウェアや雑貨を集積したECサイトやショールームでの提案を広げている。18年秋に事業を本格化して以降、ブランドの発掘も着実に進み、扱いブランド数は10以上になった。

(小畔能貴)

 FEJは資本金3000万円で、山喜51%、メルボ紳士服工業49%の出資比率で設立した。18年9月にショールームとECサイトを開設。全国から優れた物作りや新しいアプローチをしているファクトリーブランドを中心に集めて提案している。

ファクトリーエクスプレスジャパンのサイト

 ファクトリーブランドの中には、良い物作りをしているものの、うまく発信できていなかったり、流通ルートを広げる段階まで手が回っていないものも少なくない。高齢化や人手不足という共通課題を抱えている面もある。

 山喜とメルボ紳士服工業はどちらも国内に自社工場を複数持ち、物作りに対する真摯(しんし)な目を持つ。「FEJの中に、同じ目線のブランドを集め、一般消費者との接点を増やし、日本の物作りを少しでも底上げする力になれれば」という。

 現在扱う主なブランドは、先行したメンズが山喜の「オアツラエ」「ルイス&クラーク」、メルボ紳士服工業の「安芸上着」「近江上着」、エミネントの「サクソン」など。最近も「西口靴下」などの新たなブランドが品揃えに加わった。

 雑貨は、今治タオルハンカチの「こてん」、傘の「ラムダ」、漆器の「井助」 スプリングを使ったインテリア小物・文具「スプリングスプリング」、真鍮(しんちゅう)などを使ったステーショナリーの「ディアージュ」など。

服だけでなく、雑貨も発掘・提案している

 実際に商品を手にとって確かめることができるショールームは、銀座(東京)と上町(大阪)にある山喜の直営店「スタイルワークス」内に設けている。特に銀座は、FEJのショールームが加わったことで「ギフト需要が大幅に増えた」と言う。

銀座に開設したショールーム。ギフト需要も目立つ

 今後も引き続き品揃えを強化し、「誠実な作り手と、それを良いと思ってくださる使い手をつなぐ」というミッションを推進する。ウェブサイト上では商品が作られる工場を積極的に紹介し、実際に物が作られる背景をしっかり伝えていく。



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