【ミラノ=高橋恵通信員】「エトロ」の創業者ファミリーは、保有していた少数株式を投資家グループに売却し、同ブランドから撤退した。売却先は、ラムズ・グローバル、マティアス・ファッキーニ氏(スウィンガー・インターナショナル)、ジュリオ・ガラッツィ氏(SRIグループ)からなる産業投資家グループ。21年にエトロを買収して以来、筆頭株主のL・キャタルトン(ロンドン)との合意に基づくオペレーションで、現CEO(最高経営責任者)のファブリツィオ・カルディナーリ氏は留任する。ラムズ・グローバルのファルク・ビュルビュル氏は、取締役会長に就任する。
ラムズ・グローバル(トルコ・イスタンブール)は、高級住宅を含む11の事業分野で36年以上の実績があり、昨年10月、エトロと高級住宅分野でのパートナーシップ契約を締結している。スウィンガー・インターナショナル(伊ベローナ)は、自社ブランド「ジェニー」の他、「ヴェルサーチェ・ジーンズ・クチュール」「ジャスト・カヴァッリ」のライセンスビジネスを展開するファッショングループ。SRIグループ(ミラノ)は、財務アドバイザリーとコーポレート投資銀行業務を手掛ける国際グループだ。
エトロの声明では、「評価額はL・キャタルトンの当初投資額を上回り、参入以来、今日までに創出された価値を裏付けている」とし、「新たに加わった産業投資家は、既存市場と新規市場双方で大きな潜在的可能性を見いだし、ブランドの成長軌道を認識しながら支援する長期的なパートナーとして参画する。これらのパートナーは、業界の専門知識、ネットワーク、そしてノウハウをもたらし、国際展開とカテゴリー開発の次の段階を支えるだろう」と述べている。