ロンドン拠点のアーデム・モラリオグルがデザインする「アーデム」が、初めてのメンズラインとなる22年春夏コレクションを短編映像とルックブックで発表した。
丸みを帯びた大きなラペルのジャケットにフラットフロントの短めのパンツを合わせるテーラードと、レディスでおなじみの壁紙のような花柄、ちょっぴりレトロなケーブル編みのセーターやカーディガンが印象的な新作は、レディス以上に若々しいムードが漂う。英国の映画監督でアーティスト、園芸家のデレク・ジャーマンのワードローブが着想源の一つで、彼が好んで着ていたボイラースーツは、花プリントのコットンギャバジンや遠目には無地に見える花柄のコットンジャカードで作られている。スタンドカラーのシャツとショートパンツのセットアップやバケットハットにも花柄が乗る。ブルーを基調に、オレンジの太いボーダーが走るノースリーブニットのような鮮やかな暖色が加わる。
05年のデビュー以来レディスウェアをデザインしてきたモラリオグルは、「ブランドチームの男性たちがアーデムのレディスを様々な形で着こなす姿が好き」と語り、姉の服を自身の着方で楽しむ弟をイメージして新作をデザインした。
(ロンドン=若月美奈通信員、写真=Sarah Piantadosi)