「ディスカバード」(木村多津也、吉田早苗)は、21~22年秋冬コレクションをフィジカルの展示会で発表した。古着を解体再構築して作るリメイクラインを手掛けて4、5シーズン経過したことから、秋冬はインラインとリメイクラインを対比して見せた。
インラインでは、スクエアーなボディーを取り入れたGジャンやハマグリ刺繍のステッチを利かせたジャージートップ、フェイクムートンのシルバーブルゾンといったアイテムが目を引く。一方、リメイクラインでは、ネルシャツやデニムシャツをコラージュしたアイテムやロックバンドTシャツのコラージュトップを揃える。
バイオ加工や防染加工、ブリーチ加工を施したジーンズは、2着のジーンズをはぎ合わせたように見えて、実はバイカラーでできている。このアイテムあたりから、インラインとリメイクラインが侵食しあうように重なり合う。部分的にダメージ編みを取り入れたセーター、袖をフリースに切り替えたMA-1などはインラインなのかリメイクなのか分からなくなってくる。斜めにジャカードニットを配したメキシカンポンチョやビンテージのフィッシャーマンニットとノルディックセーターを解体再構築したアイテムなど、インラインもリメイクもニットアイテムに存在感がある。
(小笠原拓郎)