繊研新聞社が15年前、「日本の有力店が選ぶクリエイティブなデザイナーランキング」を開始した。実力派デザイナーのクリエイションが、小売り視点でどのように評価されているのかを知るために、有力店のディレクターやバイヤーを対象にアンケートを行ってきた。
ファッション市場の変化や注目デザイナーの誕生に合わせて、様々なデザイナーが上位に名を連ねてきた。その変遷を紹介するとともに、長年、国内レディス1位の座をキープしている「サカイ」の阿部千登勢と、ここ数年海外レディス1位を維持する「ザ・ロウ」のメアリーケイト・オルセン&アシュリー・オルセンの人気の理由を探る。
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圧倒的だったフィービー
デザイナーランキングを開始したのは09年。初回の1位は、海外レディスは「ランバン」のアルベール・エルバス、海外メンズは「ラフ・シモンズ」のラフ・シモンズ、国内レディスは「サカイ」の阿部千登勢、国内メンズは「カラー」の阿部潤一だった。
その後、海外レディスでは「ヴェットモン」を手掛けていたデムナ・ヴァザリア、「ジル・サンダー」のルーシー&ルーク・メイヤー、海外メンズでは「ロエベ」のジョナサン・アンダーソンや「ディオール」のキム・ジョーンズ、「サンローラン」を務めたエディ・スリマン、「ルイ・ヴィトン」を務めたヴァージル・アブローらがトップとなった。
中でも記憶に残るのが、「セリーヌ」を手掛けていたフィービー・ファイロだ。10年3月から6年近く、1位の座に君臨し続けた。時代の変化に合わせてトップの座は入れ替わるものだが、その求心力は圧倒的だった。彼女が手掛けるモダンでスマートなエレガンスに対する評価だけでなく、地位のある働く女性たちがこぞって仕事着に選んだこともあり、売り上げも伸び続けた。
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