都内百貨店で日傘打ち出し強まる 〝日傘男子〟向けも

2019/05/28 06:30 更新


 6月を前に全国で気温が30度超えを記録するところも出るなど、急な暑さがやってきた。都内の百貨店でも、日傘を集積した売り場が目立つ。昨年は記録的な猛暑で5~9月の熱中症による救急搬送数が統計開始以来最大を記録した。これを受けて日傘売り場を拡大した店も多い。

(海藤新大)

 西武池袋本店では、14日から婦人雑貨売り場で日傘を集積している。そごう・西武のインターネット会員男女6520人にアンケートを実施したところ、回答者の約8割が購入後に失敗したと感じていたという。そこで遮光、遮熱、軽量など機能や効果別に分けて揃えた。機能の分かりやすさで、失敗しない日傘選びをサポートするためだ。〝日傘男子〟の広がりに着目し、今年から紳士雑貨売り場だけでなく婦人雑貨売り場でも男性用日傘を販売している。

 松坂屋上野店は4月24日から「パラソルギャラリーフェア」を実施している。昨年、猛暑により需要が拡大したため、商品の種類と売り場面積を昨年の2倍に拡大した。男性用日傘も昨年の3割増にする。「軽量」「オールウェザー」「クイック」をキーワードに、1400本の日傘を揃えた。

 東武百貨店池袋店では、1階婦人日傘・帽子売り場で2月末から扱い始め、4月中旬ごろから拡大した。品揃えを昨年よりも壁面2面分(約70~80点)増やし、大判のものや晴雨兼用のオールウェザー、柄物を強化した。5階紳士傘・帽子売り場でも4月末から販売を開始した。今月中旬から拡大、月末には昨年の1.5倍にする。東レの遮熱・遮光・UV(紫外線)カットに優れた生地「サマーシールド」を使った日傘が男女ともに人気で注目しているという。

 環境省は日本百貨店協会や日本洋傘振興協議会などと連携、「日傘の活用推進」を目指し、熱中症対策の促進に向けて呼びかけている。また、埼玉県と東レが共同で晴雨兼用の折り畳み傘を開発・販売するなど、日傘市場への関心は高まっている。

機能や効果別に集積(西武池袋本店)


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