都内百貨店の初売りは、そごう・西武が1日、三越伊勢丹や高島屋などほとんどの店舗が2日から始まった。全館クリアランスセールが一斉にスタートし、集客イベントなどが再開された。セールや福袋はコロナ禍前に比べて、衣料品・雑貨を中心に縮小傾向にあり、代わって新年を楽しむコンテンツ、イベントで来店を促す。マークダウンしない商品やブランドがあり、「価格よりも今必要な商品を買い求める傾向が強まっている」とプロパー販売を強化している。
伊勢丹新宿本店は、開店前に前年比15%増の7470人が並んだ。三越日本橋店本店は6割増の1800人が行列を作り、開店時間を10分繰り上げた。福袋はECへの切り替えで店頭での販売を抑制する傾向が強まっているが、「食品は正午に完売した」(西武池袋本店)という。家族連れで買い物を楽しむ来店客が目立った。
店頭売り上げは10~15%増となり、外出機会や旅行需要の回復でコート、ジャケット、ビジネス向けシューズ、トラベル用品などの動きが良かった。伊勢丹新宿本店はセールが7%増、プロパーが24%増だった。婦人服は13%増で「今すぐ着ることのできるアウター、ニットが伸びた」という。紳士服は10%増で、通勤用途のスーツ、ワイシャツや肌着のほか、リモートワークで後回しになりがちなパンツの買い替え需要が多かった。
1月のセールは短期集中型で、商品量が19年比で2~3割減になる見通し。春色冬素材のジャストシーズン企画、モチベーション需要に対応した春物の投入が1月中旬から本格化する。セールを早めに切り上げ、2~3月に本格化する入卒のマザーニーズ、フレッシャーズなどオケージョン需要に対応して、店頭の鮮度を高める。