1955年9月30日は、ジェームズ・ディーンが世を去った日です。ジェームズ・バイロン・ディーンは1931年2月8日に生まれていますから、24年の人生だったことになります。主演映画は、わずかに3本。「エデンの東」「理由なき反抗」、そして「ジャイアンツ」。それからざっと50年の時が流れて、今なお「ジミー」の名前が忘れられていないのは奇跡というべきでしょう。
4歳年下がエルビス・プレスリー。若いころは映画「エデンの東」のキャルのせりふをほぼ空で語ることができたそうです。エルビスにとってのジミーは憧れの人だったと思われます。
では、ジェームズ・ディーンの憧れの人は誰か。マーロン・ブランドではなかったかと思われます。ジミーの7歳年長。47年にはマーロン・ブランドの「欲望という名の電車」がブロードウェーで上演されていましたから、演劇青年であったジェームズ・ディーンが知らなかったとは思えないのです。
当時、マーロン・ブランドの私服はデニムだった。しかし、当時は作業着以外にデニムを着るのは不良だった。その「不良着」をあえて黙認したのが、映画「欲望という名の電車」を監督したエリア・カザンだったのです。
それは「理由なき反抗」でのジミーについても同じことが言えるでしょう。今のデニムの流行はマーロン・ブランドとジェームズ・ディーンと、エリア・カザンを抜きに考えることはできないのです。(服飾評論家・出石尚三)