英国ブランド「ダックス」は、誕生130周年イベントを東京で開いた。そのアニバーサリーコレクションのクリエイティブディレクターを務めるルック・ゴダディンさんにダックスの何を大切にし、何を変えるべきかを聞いた。
(高田淳史)
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「バーバリー」などでデザイナーを務めてきました。創造性はもちろん、ブランドの歴史や伝統を守りながら新しく昇華させ、ビジネス的にも成功することを意識しています。ダックスも同様で130周年のカプセルコレクションをデザインするにあたり、アイコン的存在であるトレンチコートやブレザー、ハウスチェックに自分なりの解釈を加え、新しさを取り入れています。
ダックスとは韓国チームとの仕事が最初。韓国のダックスの若返りを依頼され、そこからロンドンや日本のチームと関係ができ、クリエイティブディレクターを受けることになりました。
私が目指すのは、ファンに新しいダックスを示すことでより好きになってもらうこと。新たな顧客も開拓したいので、ブランドの持つ歴史や伝統に新しさをうまくミックスしてバランスを取ります。
弱みを消すのではなく、強みをさらに強くしたい。例えば70~80年代の英国のミュージシャンにフォーカスし、ダックスの伝統的な英国スタイルにモダンさやクールさを加えます。同じトレンチコートでも20代、40代、70代とどの世代でも格好よく着こなせます。
品質の高さも強みなので生地開発にも力を入れています。ハウスチェックをベースに幾何学柄「ジオチェック」を作りました。幅広く様々なアイテムやスタイルに取り入れることができる柄です。
顧客の拡大には雑貨、アクセサリーの充実も大事かもしれませんが、ダックスの強みはウェアです。他のブランドが強めているからといって追随するのではなく、ダックスはダックスの強さを生かすことが大切です。