大和紡績は綿と機能性レーヨンの紡績糸「セルハーモ」を重点素材として打ち出す。いずれも天然由来の原料を使った環境配慮型の素材であるとともに、遮熱や涼感といった実用的な機能性の付与もでき、顧客からの関心が高まっている。特殊紡績によるハリコシ、抗ピリングがポイントで、レーヨンを提案しにくかったメンズやスポーツの商品分野も狙える。これから商談を本格的に進め、24年春夏向けの採用を目指す。
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セルハーモは同社が主力とする米綿と、グループのダイワボウレーヨンが持つ機能性レーヨンを組み合わせ、「セルロース100%の機能性紡績糸」として訴求している。綿と複合するレーヨンには、遮熱や涼感、防虫などの機能性を備えた原綿を使う。特殊紡績によってレーヨン混ながらハリコシを持たせ、洗濯しても毛羽立ちにくく、生地の風合いが保たれる点が特徴。このため、インナーウェアだけでなく、Tシャツなどアウターウェア用途も想定する。
しっとりとして柔らかな触感や光沢が特徴のレーヨンは、レディス向けのインナーウェアなどに使われることが多い。一方で、その特性からメンズ向けの商品としては不向きとされ、「なかなか採用されにくかった」。こうした課題に、ハリコシと抗ピリングを持つセルハーモで対応した。メンズブランドやスポーツブランドのカジュアルウェアからも興味を持たれ、商談が進んでいる。