町工場の挑戦、バネでアクセサリー

2015/05/01 06:38 更新


 バネ製造の町工場、五光発條(横浜)の3代目とデザイナー、造形アーティストが協業し、バネをつなぎ合わせて作るアクセサリーブランド「スプリング・ジュエリー」のプロジェクトがスタートした。

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 五光発條は71年に創業し、デジタルカメラなどのパーツに使われるバネを製造している。直径2㍉以下という精密なバネを得意とし、高い技術を持つが、近年はデジカメの販売不振の影響から経営は厳しい。国内のバネの製造技術を絶やさないためにも、「縁の下の力持ちとして裏方で活躍してきたバネを、多くの人の目に触れるようにしたい。そのためにも付加価値のある製品を作りたい」(村井秀敏社長)と、バネを主役にしたおもちゃ作りなどを始めていた。

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 一方、西村デザイン代表でプロダクツデザインなどを手がけてきた西村拓紀さんと造形アーティストの志喜屋徹さんは、日本の町工場の技術と2人のデザイン力やクリエーティブ力を融合させ、世界へ飛躍させるわくわくするものづくりを目指す「ジャンプアップジャパン」プロジェクトを立ち上げていた。3人が出会い、バネをいかしたものづくりに着手。スプリング・ジュエリーと銘打って、ジャンプアップジャパンの第1弾プロジェクトとして商品化を目指している。

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左から志喜屋さん、村井さん、西村さん
左から志喜屋さん、村井さん、西村さん
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 「金属の光沢感や、バネの柔らかさを感じながら触っているうちに、アクセサリーがいいのではと思った」と志喜屋さん。五光発條の持つ特殊技術で、バネ同士を連結させる「バネ連結コネクター」を活用してバネをつなぎ合わせ、ネックレスやブレスレットなど様々なアクセサリーを作っている。

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 4月には、文化学園大学服装学部服装造形学科の学生に提供したバネがショーで使われた。今後も様々な人と協業しながら商品開発を進めていく。

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 商品化に向けて、朝日新聞社のクラウドファンディングサイト「A-port」(エーポート)を活用して資金調達をしている。購入型のクラウドファンディングで、2500円以上の支援でスプリング・ジュエリーのネックレスやブレスレットなどがリターン(特典)として受け取れる。3月25日から開始し、4月25日時点の資金調達は70万円超。目標は150万円だ。実施期間は5月11日まで。



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