「コート」、23年秋冬からセミオーダーのブランドに 素材や線の美しさに妥協のない一着を

2023/07/13 06:27 更新


 レディスウェア「コート」(福屋千春)は23年秋冬から、セミオーダーメイドのブランドとして新たにスタートする。服作りの環境が大きく変わるなか、納得のできるクオリティーを目指して素材を厳選。着用する人に寄り添ってサロンのような販売スタイルで既製服を届けていく考えだ。

 「きれいな洋服を着ることに貪欲(どんよく)な女性に満足してもらいたい」と福屋。欧州製の上質なテキスタイルを使うことも多く、この間の生地値の上昇とともに「製品価格を中途半端に上げていくより、明らかに違うと見て分かるものを作る方が合っている」と考えた。

 コートの服は、タックの連続でフォルムを作り上げたり、潔いカットで素肌を見せたりと、造形的な要素も高い。福屋はオートクチュールのアトリエで経験を積んだ。「バランスを見て完成させたフォルムの美しさを見てほしいし、学んだ経験を生かしたい。素材の質も、洋服のラインも妥協をしないで提案できたら」と話す。

 秋口にセミオーダーメイドの受注会を開く予定。襟のライン、着丈や袖丈の調整などを行う。一部のセレクトショップへの卸売りは継続する。

 23年秋冬は合計17スタイルを作った。ロング丈のコートは「コロンボ」の生地を使う。付属を付けず、軽やかなドレープ感を生かして巻き付けるように着用するノーカラースタイル。テーラードジャケットは、幅広のピークトラペルにしてマスキュリンな趣を強めに出し、柔らかなシェイプでさりげなく女性らしさを感じさせる。ドレスもテーラーリングの要素をポイントに、肩の線とメリハリのあるシェイプラインを強調する。一方で、透明感あるシルクが揺らめくギャザードレス、胸元に美しいドレープを描くカシュクール仕様のブラウスなど、フェミニンで緊張感あるワードローブを揃えた。

コート


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