シャネル ファッションは対面販売貫く 19年は増収増益

2020/06/23 06:29 更新


 【パリ=松井孝予通信員】仏シャネル(非上場)の19年12月期の売上高は前年比13%増(為替変動の影響を除いた比較可能ベース)の123億ドル、営業利益は17%増の35億ドル、純利益は11%増の24億ドルだった。市場別ではアジアが総売上高の44%を占め、続いて欧州が37%、米州19%だった。カール・ラガーフェルドからヴィルジニー・ヴィアールへ交代後、初のプレタポルテの売上高は28%増加した。ラグジュアリーメゾンの19年度売上高で、シャネルは「ルイ・ヴィトン」の129億ドル(米バーンスタインによる推定額)に次ぐ2位。

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 新型コロナの影響についてシャネルのフィリップ・ブロンディオ最高財務責任者は仏メディアに対し、「不確実な時期が今後18~24カ月続く」との見通しを示した。これより先、シャネルのファッションプレジデントのブルーノ・パブロフスキー氏は、仏ル・モンド紙に対し、「20年は15~20%の減収」の予測を出している。

 19年の投資額は7億7000万ドル。20年は6月のクルーズと7月のオートクチュールの二つのショーをデジタルで開催し、広告費に関しては約25%削減する。顧客サービスの向上、また社会と環境への配慮も踏まえデジタル化を進めていく。

 ECに関しては、唯一扱っている化粧品と香水の売上高が1~5月に60%増加した。ファッションアイテムに関しては対面販売重視を貫き、今後もECでは販売しない方針。コロナ危機に際し、ブロンディオ最高財務責任者は、「ファッション、ビューティー、宝飾品のバランスが重要であり、他のラグジュアリーメゾンと比較しプレタポルテがシャネルの強み」であると話した。



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