デジタル化が加速した一方、EC購買では体験しえないきめ細やかな対応やぬくもりといった対面接客の良さが改めて認識されている。そうしたなか、販売教育を見直すとともに、販売員のキャリア形成や評価制度を課題に挙げる企業も目立つ。各社の動向を追う。
(関麻生衣)
1200人対象
従業員の幸せを追求し、一人ひとりが能力を発揮できる環境作りに努めるアダストリア。企業を支える販売員の働きがいにも力を注ぐ。その一つが、接客ロールプレイング大会「SSC全国選考会」だ。支店営業本部が主催となり、現場に近い全国6支店と連携。全店舗からの参加を促進し、店頭で奮闘する販売員に注目して売り場を活気づける。最近では、販売員の活躍の場をさらに広げるため新たな社内制度も始めた。
SSCの狙いは、接客を通じて顧客満足度を高め、売り上げにつなげるとともに、販売員のモチベーションと地位を上げることだ。ロールプレイング大会は年に1回開き、全国1200人の販売員が対象。店舗推薦などで参加した販売員は四つの選考過程を経て、ブロンズ、シルバー、ゴールド、プラチナの認定を受ける。