【ロンドン=若月美奈通信員】エリザベス女王の死去によりファッションウィーク中の新作発表を延期したバーバリーが、ロンドン市内で23年春夏のショーを披露した。インビテーションはうっすらと雲が浮かぶ青空がプリントされた新聞大の冊子。テーマはビーチだという。
どんなに明るく開放的なショーが繰り広げられるのかと思いきや、冒頭から裾が足にまとわりつくフルレングスの重厚なスカートが登場する。カラーパレットもベージュ、ブラウン、黒、白、デニムのブルーでどちらかというとダークな印象で落ち着いている。
チェック柄がタトゥーのように肌に吸い付き手先までカバーするシースルートップなど、ゴシックなイメージが交錯するアイテムもある。砂浜や貝殻といった海岸ではなく、さまざまな文化を背景にした人々が、共に自然の中で楽しむコミュニティーの場として、英国の夏の海岸に目を向けたそうだ。ボディーラインを強調し、大胆な肌見せで迫るレディスウェアは、スカートの裾が膝下から広がるフルレングスのタイトドレス、あるいはベビードールにマーメードスカートの組み合わせ。スイムウェアにロングスカートを引っかけたような肌見せドレス、白いコートの背中にバスタオルのようなピースが付くといったビーチアイテムから派生したデザインが揃う。
メンズも裾にレースを飾ったドレスのようなアイテムを重ね着するなど、さまざまな要素がミックスされた。
リカルド・ティッシの退任はショーの2日後に発表された。ティッシの永遠のミューズであるマリアカルラ・ボスコーノに加え、ナオミ・キャンベル、エリン・オコナー、カレン・エルソンなど大御所英国人モデルを登場させ、バーバリーにおける4年半のクリエイションに終止符を打った。