店を切り盛りしていると必ずやってくる「売れない」とき。セール前の買い控えなど想定しているタイミングだけではなく、新商品も入荷し、「いまここで」という時期になぜか、客足がいまいちだったり、来店があっても、買い上げが少なかったり。
こんな時期を乗り切るために、結果を出している店長は何をやっているのか。大事な月に予算達成するために必要なことを聞きました。
スキルとモチベーション高める努力
「メゾンイエナ」自由が丘店・店長
鈴木典子さん
売れなくなってから何かやろうではなく、普段の努力が大事。良い時も悪い時も常に頭にあるのは固定顧客をどう作るかと、ふり客にいかに自然にアプローチし、買い上げにつなげていくかの2軸です。両立にはスタッフを育成し、皆のモチベーションを上げる働きかけが欠かせません。
【三 カ 条】
- 会話力で固定客のニーズを把握
- 値段の理由が分かる商品知識を
- 常に 「売る」 気持ち鼓舞し合う
固定顧客とは連絡すると来店してくださるような関係性ができている客で、近隣住民にはこのタイプが多いです。路面店なのでこの固定顧客に、いつ来ても新鮮に感じてもらえる売り場作りは基本です。そして、お客さんとのコミュニケーションに路面店ならではの工夫を凝らします。
前回の来店時の会話の内容を覚えておいて、「この間のあれ、どうなったんですか」などあいさつや単なる声かけで終わらない「会話」からニーズをつかむ。当然、会話力が求められ若いスタッフには、販促担当の先輩が定期的に会話の訓練をするようにしています。
仕入れ商品の比率が高く、ふり客に対しては「話す力」に加えて商品知識も重要です。ストールなどもブランドの歴史だけでなく素材、巻き方、暖かさまできめ細かく頭に叩き込みます。
高額のインポート商品などは値段の理由をちゃんと伝えないと、『可愛いですよね』だけでは売れません。
来てもらえるだけの付加価値を伝える
販売職は顧客を作りたいという思いが強いもの。キャリアの浅いスタッフには接客後、先輩か店長、サブの誰かが接客内容を聞き、次の来店時に気を配るべきことも助言。普段からスタッフ同士で「売る」ことに対するモチベーション上げておくためです。
サンキューレターもネットで商品情報はチェックできるので、あくまで来店時の会話などを主題に。ECやSCよりこの路面店と思ってもらうには、お客にわざわざ来ていただくだけの付加価値を伝えること。こうした姿勢が実り、昨年10月は予算を達成、11月も好調でした。
(繊研新聞2016/11/28掲載記事を再編集)