「バレエザニュークラシック」初公演 幾佐田千佳が衣装デザイン

2022/08/10 06:28 更新


バレエザニュークラシック

 クラシックバレエを現代の価値観で再解釈する「バレエザニュークラシック」の初公演が8月5~7日に行われた。国内外で活躍するダンサーと、ファッション業界のクリエイターが集まり、古典芸術の枠にとらわれずに表現するプロジェクトだ。主催はフォトグラファーの井上ユミコ。衣装を「チカキサダ」のデザイナーの幾左田千佳が担当した。

 「約400年前から続くバレエの良さを残しつつ、今を生きるクリエイターの最先端の感覚で作り直した。挑戦し続けることは、伝統を守っていくことでもある」と舞踏を監修したプリンシパルダンサーの堀内將平は話す。合計11人のダンサーが参加し、異なる演技を見せる1部と、全員が揃う2部で構成した。音楽はピアノとチェロの生演奏で、スポットライトの演出を交えるなど、ジャンルを超え、肢体の動きを多面的に表現した。モード系のヘアスタイリストとメイクアップアーティストも参加した。

肢体の動きを多面的に表現した「バレエザニュークラシック」

 ダンサーたちを一段と身近に感じさせたのは、ファッションセンスの入った衣装だ。幼少期からクラシックバレエを習っていた幾佐田は「日常の視点で考え、洋服や下着の一部をドレスの形へと発展させた」と話す。キラキラと輝くスパンコールや刺繍は一切入れていない。複数のフリルをたたいたボディースーツ、軽やかに弾む膝下丈のチュールスカートなど「普段から付き合いのある縫製工場に協力してもらい、一つひとつにチカキサダの服作りのテクニックを入れた」。2部のドレスは、幾佐田らしいボーンを組んだデザイン。ビュスティエをかたどり、ふんわり広がるスキンベージュのチュチュを合わせる。躍動感にあふれるダンサーの個性を尊重し、ヌーディーな美しさが共生するように見せた。



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