《24~25年秋冬尾州マテリアル・エキシビション報告㊦》素材の持ち味を生かした表情

2023/10/06 11:30 更新有料会員限定


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ループ糸の工夫がカギ

 24~25年秋冬向けBMEでは、立体感の作り込みが目立った。原料や糸使い、織り編み設計や染色整理加工の組み合わせを工夫し、各社が素材を提案した。中でも糸軸では、意匠糸のループ糸が注目された。原料のハリコシや線維長の違いで形状を変え、多様な凹凸感を表現した。

 岩田健毛織は、モヘヤの弾力性を生かした立体感の強いシャギー・アストラカン、経編の一種、ダブルラッセル機によるポップコーン調の生地などを新たに提案している。ポップコーン調は20番手単糸を引きそろえて6ゲージのダブルラッセル機で編んだ。

岩田健毛織の提案したアストラカン調の素材

 日本エースはアクリル・ウール混のタム糸を使い、タム糸の毛足が長いところをあえて裁断処理せずに、ナチュラルな長い毛足を独特な表情として見せた。またアルパカでも繊度が細かくふかふかした素材感が特徴のフアカヤ種アルパカ原毛の糸で、柔らかいシャギー調素材も提案した。

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