バードファブスタジオ「キジアライ」が進化 産地のブランディング支援、世界も視野

2021/03/08 06:25 更新


 産地などの生地メーカーとアパレル・商社などをオンラインで結ぶプラットフォームとして19年秋にサービスを開始した「キジアライ」が、5、6月をめどに大幅にリニューアルする。産地企業の支援にこれまで以上の力を入れ、世界市場をも対象とするのが主な改修ポイント。運営するバードファブスタジオ(京都府舞鶴市)の上羽英行代表は、「複雑な流通をITの力で調整し、利害関係者のニーズを合致させる」と話す。現在の登録企業はサプライヤーで約80社、バイヤー側にはオンワード樫山など有力企業が名を連ねる。

(永松浩介)

■商売の自由度高く

 産地とアパレルなどバイヤーをオンラインで結ぶ際に課題となるのが、日本の多層にわたる流通や商習慣。これが、立ち上げから課題となっていた。当初はバイヤーによる生地の検索機能を重視していたが、商売となると諸々の交渉ごとが伴うため、「サプライヤー企業を探す方が便利で実態に即しているのがわかった」。直接調達したいバイヤーもいれば、商社を介したいバイヤーもいるなど、買い手側の要望も様々だからだ。

 生地だけでなく、サプライヤーを重視するとなると、得意分野がわかるようなブランディングが重要になる。もっとも、産地メーカーは情報発信が苦手というケースも多いため、サイト内にメーカーのページを無料作成できるようにした。テンプレートを用意し、自社情報を打ち込むと企業ページが出来上がり、簡易ながら英語へも自動変換できる。

 情報の公開範囲や閲覧制限はサプライヤー側で柔軟に設定できる。これまで通りに問屋に販売を委ねるやり方に加え、自販もできるなど商売の自由度が高くなり、利益を生み出しやすくなるという。生地の価格には手数料やマージンが入っていないため、安い海外素材にも肩を並べられる可能性も生まれる。

 今回のリニューアルを機に、買い手であるバイヤーのシステム利用は無料にする。サプライヤーも無料だが、小額だが年会費を徴収する。「利用料がないと真剣さが出ないから」。今回から生地メーカーが顧客である原料・加工メーカーや染工場も登録できるようになる。

■今後は追加機能も

 実装はこれからだが、SNSなどで見つけた写真をサイトにアップロードすると、それに近い生地が表示させるAI(人工知能)機能の追加も準備している。信州大学繊維学部との共同研究で、弁護士のリーガルチェックを経ながら実現を目指す。

 サプライヤーやアパレルが保有している生地在庫も販売できるようにする。現在はテスト的に運用しており、本稼働は別サイトでの運営になりそう。BtoB(企業間取引)だけでなく、BtoC(企業対消費者取引)も視野に入れている。

 コロナ禍のリストラで厳しい環境に直面するデザイナーやパタンナー、自らの世界を確立しているインフルエンサーやテキスタイルデザイナーと企業をスポットの仕事で結びつける機能も付加。無料で登録でき、匿名でのマッチングも可能にした。


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