ベイクルーズグループは4月7日、新店「サーキュラブル・サプライ」を東京・下北沢にオープンした。同社の社員が自分の持っている服や靴、バッグなどを販売するリユースショップだ。古着の廃棄を減らすほか、社員は私物の服を換金でき、来店客はセレクトショップの社員のファッションに対するこだわりを、買い物を通じて感じることができる。新品を売る既存店とは違う客層との接点を作る狙いがある。
(柏木均之)
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下北沢駅から徒歩数分の路地の一角にある同店は売り場面積61平方メートル。決して大きくはない店の内装には、本社オフィスや既存店舗で使用していた什器を再利用し、ショッピングバッグも通常の店舗で使っているものを流用している。オープン時は、渋谷本社の社員1000人から集めた千数百点の服や靴、バッグの中から厳選した商品を並べた。
通りからちらっと見ると、近隣に立ち並ぶ古着屋と変わらない小さなショップだが、陳列にはセレクトショップならではのこだわりがあり、ユニセックスで使えるアイテムはミリタリーやアメカジ、ウィメンズの商品はフェミニンやモードなどテーマ切りで商品を集積して見せている。
販売する商品はベイクルーズグループの各業態のオリジナルや仕入れブランドが中心。企画やプレス、バイヤーのほか、杉村茂代表取締役CEO(最高執行責任者)をはじめ役員が出品した商品もあり、英国製の高級紳士靴やラグジュアリーブランドのバッグやスカーフなども混じっている。
販売価格は出品した社員が付ける。売れた商品の価格の8割が出品者に支払われる。ブランドのタグを見ると、購入時の価格が数万~数十万円と思われる商品もあるが、ジャージートップやシャツ、ボトムなどのウェアの値付けは数千円~2万円。高級ブランドのバッグや靴は10万円以下で販売している。
この店を作るきっかけは、ベイクルーズグループが19年に名古屋、京都、仙台、福岡で開催した野外イベント。創業40周年を記念したこの催しで、社員の私物を販売するフリーマーケットを行ったところ長蛇の列ができる人気ぶりだったことから、常設でもやってみよう、ということになった。
現在は本社社員の私物のみだが、今後は販売員の私物も販売する予定だ。下北沢の店は期間限定営業となる予定だが、現在は残念ながら新型コロナウイルスの感染拡大防止のため、休業を余儀なくされている。ベイクルーズグループとしては、この業態を多店舗化し、将来的には顧客が購入した商品の買い戻しも行いたいとしている。